修験道

修験道は、今からおよそ1350年前 飛鳥の時代、役行者(えんのぎょうじゃ)により開かれた「実修実験の道」です。

あらゆる生命(魂)を尊ぶこと…つまり大宇宙 大自然の恵みの中で生かされていることに感謝する素朴で純粋な想いから生まれました。「一宗一法に執せず」諸宗融通・神仏習合の道としてあります。
主に聖地の山々に入峰し、何千年何万年も繰り返されてきた『創造・維持・破壊』のドラマの唯中で…自身の魂の浄化と活性を導く道と言えましょう。
自己本来の生命(魂)は平和で愛に満ちたものです。
私(魂)と神(至高なる魂)との繋がりを想い出すことで、自身の心と体のハーモニーを崇高にコントロールすることに深い意義があります。
その素晴らしい徳性の力を奉仕実践する道でもあります。

この道を歩む者は、「山に伏し野に伏し山林抖擻 (とそう:心身を浄化し雑念を払い心を集中する行)するもの」として、山伏(山臥・やまぶし)とよばれ、或いは修験者・行者とも称されました。

歴史

修験道は、平安の時代を迎え、より盛んとなりました。
仏教伝来以前からの日本古来の古神道と仏教が習合し、神社の境内に神宮寺が、寺院の境内に「鎮守」としての守護神の社がそれぞれ祀られ、この神仏習合の動きと、密教、道教、儒教と、さらに山岳信仰とが結びついて、修験道という独自の修行の道が成立したといえましょう。