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ことのは つづり, 想い

人の間で在る人間

当山に携わる私たちが、大切にし、目標とする生き方そのもの、となっている言葉があります。

「他者満足」を生きる

この言葉は、幼い子が、海岸で見つけた綺麗な貝殻を、宝箱に入れてベッドの下に隠すように、そんな風に、ずっと心の中にしまっていました。

トキがたって、鍵をかけていた宝箱を開け、あの頃の思い出の貝殻を、そっと手にとってみる。
そっと目を閉じて、あの頃の波のメロディに耳を澄ましてみる。

遠い日のあの頃は、まだ何を意味するか分からなかった事が、時間と経験という熟成期間を生きる中で、海岸で拾った時の原点に想いを馳せられる。

Circleoflife

「他者満足」という言葉を聞いて、真っ先にどう捉えますか?

「いやいや、人よりまずは自分でしょ」
「他人のために自己犠牲なんてしたくない」
「自己満足の反対語?」
「人のために、こんなに身を削りました!」
「あなたのために、ここまでしました!」
「私なんかどうでもいい、あの人さえ幸せなら、それでいい」

状況によって、人によって、捉え方、考え方、実践の方法、形はそれぞれあると思いますが、私が教えられ、そして目指す「他者満足」な生き方は、決して「自分を犠牲にして他人に尽くす」ような意味合いではありません。

そういう意味で捉えられやすいのが、現実だと思いますが、それは違います。

何も自分を犠牲にして他人に尽くす、ことでは決してなく、まずは自分を愛することから全てが始まる、ということです。

温泉のように、源から溢れる止め処目ないお湯が、そこに浸かる人を幸せにしてくれるように、自らの中から溢れる本物の愛や幸福感が、周りの人をも幸せにしていく。そしてその人たちの幸せを感じれることが、更に自分の幸せへ繋がっていく。

他者満足であることは、まず自分のありのままの姿や状況を受け入れる努力をし、いかなるところからも希望を見出し、まずは自分を信じ愛し満たすこと。

自分を信じ愛し、まずは自分を満たしてあげなければ、人を信じ愛し、人の心を満たし笑顔には出来ないからです。

温泉、湧いてないと、そこに人は浸かれません!
太陽、輝いてないと、大地を照らせません!
サンタクロースの袋が空っぽだったら、人が喜ぶプレゼントは何も出てきません。

マザーテレサが「愛の反対は無関心」であり「世界平和のために出来ることは、まず家族を愛すること」と言ったように。

まずは自分という存在と人生に関心を持ち、そして家族を愛す。
家族の幸せが、それが自分の幸せで、その先に、自分や家族の幸せだけでなく、人の幸せを願い、人の幸せに繋がっていくから。
人の幸せが、それが自分の幸せと感じれる日々が必ず来るから。

綺麗事で済ませれない現実も多くある中で、生きるより死ぬ方が楽だと考えてしまうほど苦しい場面も時折ある中で、自分の置かれた状況を受け入れ、それでも自分の人生を信じ、夢を持ち未来へ前向きで、自分と共に生きる存在…人を愛し思いやる努力を怠らない。

「ありがとう」と誰よりも真っ先に言葉にして伝えていける。

だって自分を愛することは、その生命と、自分を生かしてくれている全ての存在とご縁に感謝することだと思うから。

だからこそ実現していける「他者満足を生きる」だと思うのです。
与えられた自分の人生を真っ直ぐ生きる、こその言葉だと思うのです。

「あなたと話してると、見てると、なんかこっちまで笑顔になれる!元気もらえる!ありがとう」
「え?そう?そう言ってもらえると嬉しい!私もだよ!ありがとう」
人と人の間で生きている時間が、こんな何気ない一瞬一瞬で満ちていって欲しいな。

世界をその信念と心で動かし、多くの人の心にのこる偉人達の1人、ネルソン・マンデラの言葉で、今日のブログを締めくくります。

“One of the challenges of our time, without being pietistic or moralistic, is to re-instil in the consciousness of our people that sense of human solidarity, of being in the world for one another and because of and through others. ”
(Steve Biko lecture 10/sept/2004)

-今の時代に取り組まなければならないことの1つは人間の連帯感、つまり
「お互いのために私たちは世界に存在する」
「他者のおかげで私たちは存在する」
そして
「他者を通じて私たちは世界に存在する」
という認識を国民の間に再び浸透させることだ-

自己と他者
他者と自己

私とあなた
あなたと…

わたし

Anju

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