大峰奥駈修行

大峰奥駈修行とは、熊野から吉野までの世界遺産「祈りの道」を登拝する修行です。

社会も人心も混迷の嵐が吹き荒れる飛鳥の時代、役行者尊は世界の平和とすべての魂の幸福を願い、熊野本宮より大峰山に入山、道なき道を拓きながらご修行に入られました。
玉置山を越え、釈迦ヶ岳に登り、北へ北へと山を開き、近畿最高峰の弥山をご登拝。
続いて金峰山(山上ヶ岳・標高1721m) をご開山。
そして山上ヶ岳山頂での一千日のご修行の末、衆生済度のご本尊、金剛蔵王大権現(こんごうざおうだいごんげん)をご感得(祈り出)され、吉野山へ下り、桜の木で蔵王権現のお姿を自ら彫り、祀られたのです。 その時、修験道が始まりました。

この、熊野から吉野に到る約42里(約160km)の山脈が「大峰山」と総称され、役行者神変大菩薩はこの山々を根本道場として三十三度入峯修行を重ねられたと伝わります。
以来1350年の間、人々は役行者さまの足跡を踏みしめ、吉野から熊野に到る山々を祈り行じ続けてきました。それが大峰奥駈修行です。

この道中には、熊野・本宮証誠殿から吉野・柳の宿まで75ヶ所の靡(なびき)と呼ばれる霊地があり、祈りを捧げ行じます。
2004年世界遺産に登録されたのが、この「道」です。
熊野から吉野に駈け抜けることを「順峰」(じゅんぶ)といい、吉野から熊野に向かうことは「逆峰」(ぎゃくぶ)と呼ばれます。

“懺悔懺悔六根清浄”(さんげさんげ、ろっこんしょうじょう)

大自然の中で、自己内面を探求する奥駈修行。
大峯の聖地は、生命エネルギーを覚醒させる素晴らしい魅力に満ちあふれています。
一歩一歩…自身の魂の輝きに気づき、自分変革の道へと導かれます。

行程

櫻本坊では毎年6~7月に奥駈修行を行っており、近年の奥駈修行行程はおおよそ以下の通りです。

初日 吉野山 櫻本坊集合
2日目 吉野山出発 ~ 大峰山上 櫻本坊参籠所
3日目 大峰山上 ~ 弥山
4日目 弥山 ~ 前鬼山
5日目 前鬼山 ~(バス)~ 吉野山

本年の行程・持ち物他に関しましては、行事予定をご覧ください。