信仰とは
私たちの母なる大地、地球に生命が芽生えて幾星霜、数えきれない命が分化と進化を積み重ね調和の中、『いま』を生きています。
私たち人類もその一員として、自然の恵みを享受し、その生を全うすべく歩み続けています。
古来民族や言語・文化や歴史が違っていても、時代や洋の東西を問わず、人々は人智を超えた何か『偉大な存在』を観じ、心からの敬意と感謝を捧げ共に歩んできました。
日本でも縄文時代以来、『大いなる存在』を神々として敬い、感謝の念をささげ讃えてきました。
そして飛鳥の世、大陸より仏道が伝わりその教えが受容され、畏敬の想いと共に津々浦々へと拡がりました。
良き伝統と新しい風との融合、人々は縄文以来の古神道に、新しき仏の教えを積み重ね、より深く大きく魂の礎として『信』を捧げ続けたといえます。
それから百年、7世紀の中頃、役行者が大峯山にご登拝、世界の平和と生きとし生けるものの安心の為に祈りを捧げ修行を積み修験道を開創されました。
古神道と仏道の上に密教・五行陰陽などが融け込み渾然一体となった修験の道です。
すべてを信じ、調和を敬い、自然の恵みに感謝、多様性と重層性を受容するゆたかな『こころ』を支え育んだのは、『信じ』『仰ぎ敬う』という揺るぎなき決意と情熱があったからだと言えます。
自分を信じること、社会や隣人を信頼し合うこと、そして大自然に委ねられる生きざまこそが信を仰ぐあり方だといえるのでしょう。