地蔵菩薩坐像
- 重要文化財
- 平安時代 12世紀
- 木造
- 彩色
- 寄木造り
- 像高83.7cm
等身大、ヒノキ材の寄木作りで、温和なお姿で浅く整えられた衣文など、定朝様を受けついでいます。
両手首から先が亡失、剃髪で結跏趺坐(けっかふざ)、衲衣(のうえ)を着け、右肩を覆肩衣(ふげんえ)が覆い、腹部には裳の結び紐が表されています。穏やかな相貌をもち、丸みを基調とした安定感のあるお姿です。
高度な技法で造られた構造を持ち、平安末期12世紀ころの造立と考えられます。
地蔵菩薩はサンスクリット語ではクシティ・ガルバと称されます。クシティとは「大地」、ガルバとは「胎内」という意味で、大地が全ての命を育む力を蔵するように、苦しみ悩む人々をその無限の大慈悲の心で包み込み、救う所から名付けられました。
お釈迦さまの滅後56億7千万年の後に、弥勒菩薩(みろくぼさつ)が成道され出現されるまでの間、現世に仏が不在となってしまうため、その間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻する衆生を救ってくださいます。
無数のお姿に変化して一人一人を救われるので千体地蔵とも称され、また子供の守り神としても尊ばれ「子育て地蔵」「子安地蔵」ともよばれ、古来大変親しまれております。
合掌
- ご宝号
- 南無地蔵大菩薩(地蔵菩薩にすべておまかせし帰依いたします)
- ご真言
- オンカカカビサンマエイソワカ