雪が降る様子をじっと見ていると、一瞬、すべてがスローモーションに見え、時間が止まったような感覚になります❄️
吉野山も、もう暫く寒さが続きそうですが、桜にとったら、このラストスパートの冷え込みが、咲くスイッチとなります🌸
今年の春は、新しい取り組みも開始予定です。
「楽しい」と感じることは、決して「楽する」ことでも、「楽なこと」でもないのが、真理。
銀世界が溶けた後に出会える、あたたかい日差しと花々の華やかさを想像しながら…着々と進む、様々な準備を楽しむ冬のお寺の日常✨
形のない教えを伝える、形のある教え。
当寺院にて80年以上、大護摩法要にて使用しておりました、法具「板笈(いたおい)※」は、金襴新調張り直し・朱赤紐と蓮雀(ショルダーストラップ)新調結び直しのため、昨夏より専門業者に預けていました。
先週、無事すべての修理を終え、お寺に戻ってまいりました✨
※板笈:古来、山伏が山中で修行する折に、念持佛・法具・仏具・閼伽水を入れる水筒など、修行に必要な道具一式を入れて運んでいた、今で言うリュックサックのようなもの。現代では、山伏の歴史を知る貴重な法具として大切にされ、大護摩の行列や問答作法の折に実際に背負い、山伏の象徴として使用される。
櫻本坊では、「花まつり大祭(4/8)」ならびに「吉野聖天大祭(10/1)」にて行われる大護摩供法要で、必ず使用しています。
近年、法衣や法具という特殊なものづくり、また修理に関して、技術者や職人さまが激減しています。
この度の板笈の修理も、「もう今後は、直せる人はいません」と…厳しい現実を目の当たりにしました。
これからも永きにわたり、受け継がれし修験道の文化を未来へ繋ぐことへの情熱の深さは、言うまでもありません。
同様に、先人たちの教え…更にはその伝統を生かす職人さま達の想いと、貴重な技術の集大成を、私たちもしっかりと背負い伝えていくことの責任を、ずっしりと感じた次第です。
この度、修理を引き受けて下さいました、林勘 法衣法具専門店様、ならびに携わって下さいました職人皆さまに、心からの感謝と尊敬の念を申し上げます。
ありがとうございました。
写真は、ビフォー&アフター✨
本日 午前7時、当寺院中庭に坐わす高倉稲荷明神社にて、例祭を斎行いたしました。
祭礼中にご神饌が凍ってしまうほど、吉野山も冷え込んでおりますが、胸いっぱいに吸い込む冷たい空気に、心身を清めて頂く朝の醍醐味✨❄️
当社には、山(自然)そのものをご神体とする、奥深き心あたたかい山の神が鎮座されます。
山に入る者(仕事・修行)を守り、我々の心の最も弱い所に潜む「魔」を祓って下さいます。
またこちらの鳥居で結界を護り、様々な魔厄病災を祓って下さる眷属は、古来からの信仰が残る真っ白な日本狼達で、起死回生へ導く役を担うと伝えられています。
いつも、もののけ姫に出てくるオオカミ達を思い出し、何ひとつごまかしの効かない世界で生きることの意味を、日々考えさせられます。
神仏の前、自然の中では、私たち人間が装う嘘も見栄も偽りも、何一つ通用しません。
同じく、お互い人同士でも、いずれ馬脚は現わになるのが、世の常。
「覚えるな、考えろ」
マニュアル通り・計画通り…にいかないことが圧倒的に多いのが、人間関係で、人生だから✨
起きることを「想定内!」と素直に受け入れる視野の広さと、開き直り力、そして、考えることの楽しさ!に気付いていく。
覚えるな、考えろ。
与えられた同じ時間を、前向きに捉え転換していくユーモアと、実行に移していける真面目さを持つ、全ての方の味方となる言霊です✨