Posts published on 3月 2016

夢見の桜 開花

季節

境内の「夢見の桜」が 3月31日現在で5分咲きです。

夢見の桜0331
吉野山全体は、まだまだこれからが開花となっているなか、しだれ桜は毎年どの桜よりも早く満開を迎えます。

そして4月の桜のピーク前に、ひっそりと散っていき、しだれ桜の満開を見れる方は、実は毎年ごくわずか…

桜本坊の夢見の桜を、ゆっくりお楽しみ頂けるのは3月末〜4月初めです。
※早い年は3月末には散り始める事もあります

桜は日本の王花であり、吉野山のご神木でもあります。
また桜は、古来より浄化作用があり、嗅覚による浄化(満開の満月の夜に一斉に香る花)、視覚による浄化(愛でることによる心の安らぎや高揚感)、そして桜木の灰は、蒔くことによる土の浄化が期待でき、また私達の皮膚の傷の殺菌や治癒にも役立てられてきました。
心身の浄化という観点から見ても、桜から気づかされる事は沢山ありますね。

大変混み合う吉野山の中でも、人の混み合いが比較的少ないので、ゆったりとした時間が流れる空間で、鳥のさえずりと境内にある滝水の音を聞きながら、春のそよ風を感じ、心があらわれる体験をして頂ける場所となっております。

しだれ桜を愛でに、ぜひお越しくださいませ。

夢見の桜0331/

by anju

インターナショナルな修験実習

インターナショナル

3月14日〜16日の3日間を通して、ドイツ人の方と住職の勉強会がありました。

lecture
日本語と英語を交えての、修験道の勉強と質疑応答、座禅・勤行・滝行の実習、そして笙の窟(しょうのいわや)へのお参りなど、非常に内容の濃い3日間でした。

滝行
お昼に頂く薬膳・精進料理に関しても、ただお腹を満たすためだけに食べるのではなく、食物や植物の生命エネルギーを頂くことへの感謝の気持ち、どう心身への作用があるのかも説明が入りながら、日々・日常の生活の中にこそある気付きや先人の教えというものを体感されたのではないでしょうか?

精進料理
桜本坊は、神仏習合・修験道 道場ですが、何も滝を浴び、お経を唱え、山に入るような荒行だけが修行ではありません。

毎日の日常生活を大切に丁寧に生きる、ということを基礎と考え、自己と向き合う内観を重ね、他者と多様性を尊重し、共に向上を目指すことを第一と考えています。

言葉・人種・文化などの違いをこえて「祈る」心を共鳴できる機会があることに、嬉しく思います!

近年、当坊でも、外国の方からのお問い合わせや、修行体験のお申し込み、また、修験道の精神を教えてほしい、と大きなバックパックを背負って海外から飛び込んで来られる方も増加してきました。

祈ることは世界共通。
桜本坊も、世界へ向けて門をオープンした場所であり続けます。

by anju

高倉稲荷大明神〜生きる底力は田んぼから〜

祭禮

すぐそこには春、そしてすぐに田植えの季節がやってきますね。
お米は、私たち日本人の生命の源!
いろんな漢字にも「田」や「米」が入っていることからも、私達と自然界との繋がりを感じます。(例えば丹田!氣!)

五穀豊穣を祈る、高倉稲荷大明神の祭禮がありました。
神式でお清めをし、祝詞をあげ、そしてご祈願の護摩を焚きました。

高倉さん
高倉さん護摩
年中を通して、様々な法要・神事が執り行われていますが、行事の大小、または参拝の方の人数の多少に関わらず、一つ一つの行事を大切にしています。

上記にもチラッと書きましたが…
ただ立つ姿勢一つをとっても、丹田にグッと力を入れる。
健康な身体作りにしても、良い氣が巡っていることが血や水の循環にも繋がってくる。(氣血水)

そこで、やはり食べる物や食べ方や食べる気持ち、というものが根本にあって、それにより私達の体・そして心の状態は作られていることからも(You are what you eat)お米を食べることの大切さや、お米を育む大地のエネルギー、そして何よりお米を作って下さる農家さんへの感謝の気持ちで満たされます。

「一滴の水も天地の恵み
一粒の米も労苦の賜物
濃淡多少は問うところにあらず」

仏教の食事の作法で、食前にあげる言葉で、こういった文章があります。

普段、当たり前だと考えてしまいがちなことですが、あらためて
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
の手を合わせる意味を感じました。

皆さんにとっても、今日、目の前にある食事が、大切な人達と笑顔で美味しく食べる、幸せな時間と空間でありますように…^^

by anju