お守り

人智を超えたストーリーを生きるなかで

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人々の想いと祈りは世界中で、宗派や国籍や言葉の垣根を越えて繋がっていることを、強く感じさせてくれる、新年へ向かう今の時期。

どのようなことがあっても、未来を信じ抜く強さと希望を与えてくれる家族や大切な人へ、最大の感謝を伝え合うクリスマス。

………
“長年教会にお仕えしてきて、何より恐れるようになった罪がひとつあります。

確信、です。

確信は一致を阻む敵であり、寛容の大敵でもあります。
キリストでさえ最後に「神よ。なぜ私をお見捨てになったのか」と確信を持てず、十字架の上で叫びました。

信仰は生き物です。疑念と手を取り合い歩むものだ。
もし確信だけで疑念を抱かねば、不可解なことは消え、信仰は必要なくなる。

求めるのは、疑念を抱く教皇です。
その教皇は、罪を犯しても赦しを請い、進み続ける。”
………

今春公開された映画『教皇選挙』は、国も宗教も規模も違えど、グッと心を捉えて考えさせるメッセージが至る場面でありました。

誰もが、自分の正義と常識を持って生きています。
それは、多様な世界で、人の数あって当然といえば当然です。
しかし、自分がいつも1番正しい、と確信を持つことは、怖い。
正しさと正確さは別のもので、正しさは正義ではない。
正しさが確信に変わる時、もしかすると、多様性や柔軟性は薄れていくのかもしれません。

間違いや失敗を経験したことのない人、完璧な人物などいません。

だからこそ、人と人のご縁…そこから導かれる人生のストーリーは、人智を超えたものがあります。

どれほどの力によって、人1人が生かされているかを思うと、身近な「世界」である日常・家族・地域・職場から…自分と相手へ、優しくあたたかい言葉と想いを伝える選択をし続けられますように。

with love,
メリークリスマス

のぼり旗奉納のご案内 〜十一面観世音菩薩(吉野聖天尊 ご本地仏)大修理記念〜

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のぼり旗奉納のご案内
〜十一面観世音菩薩(吉野聖天尊 ご本地仏)大修理記念〜

聖天堂にて、聖天(歓喜天)様と共にお厨子の中で祀られる、聖天様のご本地仏 秘仏 十一面観世音菩薩様のご仏像は、江戸時代に修理されて以来、数百年ぶりの修理が必要となりました。

吉野に寄せられてきた、深い信仰を長く見守り伝えてこられた「地域の宝佛」として、吉野山に存する木彫像としては屈指の古像であり、今後も吉野の歴史研究の進展に大きく寄与することが期待されることが、近年の調査でも更に明らかとなりました。

この度、ご仏像の大修理勧進活動の一貫として、奉納用の幟旗(2種)をご用意致しました。
幟旗には、ご芳名をお入れして参道・境内に掲揚します。

皆様のご賛同を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。

🔸掲揚場所: 南参道階段 及び 仁王門沿い
※位置の指定はできません

🔸掲揚期間: お申し込みより5年
※令和8年1月より順次掲楊開始

🔸奉納料: 幟旗1本につき 1万円

🔸募集期間: 随時受付中

🔸申込方法: メール・Fax・お電話・授与所にて直接、などご都合の良い形でお申込みいただけます。

お気軽にお問い合わせください✨

オンラインからお申込ご希望の方は、詳細・申込用紙ダウンロード含め、下記リンク先(櫻本坊公式HP)よりご確認していただけます。
https://sakuramotobou.or.jp/event/2026/noboribata11.html

何かを伝えることよりも大切なこと

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兵庫県 甲南大学にて 「死生学 〜日本の死生観〜」の講義をさせて頂きました。

将来、臨床心理士・公認心理師・心理カウンセラーを目指す生徒さんが多く受講されている、こちらの講義。

家族や友人・パートナーという、大切な人の「死」を経験することは、遅かれ早かれ、平等に全員に訪れること。

その「いつか」の順番が、自分にきたとき。
その「いつか」を迎え、どう死を捉え、生の覚悟へと繋がていけるかを、懸命に模索している人が、目の前に現れたとき。

もちろん、精神と身体を引っ張り上げていく、言葉のチョイスや、専門的な技術は必須です。

でも同時に、忘れないでほしい、心に留めておいてほしい、と皆さんへ願うのは、諦めずに「心を向ける」こと。

薬や治療法があったとしても、それだけ処方して、それだけ飲んでいればいい、というものではないこと。

精神と身体は医療で救えても、心がなければ救えないのが、心なんだよ、ということ。

お寺は医療従事者ではないけれど、祈りのクリニックとしての役割があります。

日々、心身の当病平癒のご祈祷相談が最も多い祈祷寺として、死生観について深く考えさせられる現場にいて、何かを「伝える」こと以上に、「聴く」ことも、相手の生きる力に繋がると、気づかされました。

祈る時間は、聴く時間でもある。

ご家族の当病平癒祈願でお参りに来られていた方が、「物理的に命は救えなくても、本人も、私たちも、心は救われた」と仰って下さった一言と、安らかな表情が、今でも忘れられません。

心を救える、心のある「聴く力」を養い、これから人を救っていかれる立場を目指す若い学生さん達の未来を、微力ではありますが、しっかりと支え続けていける寺院でありたいです✨