インターナショナル

六つの根っこの中心

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 季節, 行事, 想い, 祈りと医学, インターナショナル, 植物&食物, 聖地, 神仏, 修行, 大峰山, ことば

六つの根っこの中心
「六根清浄」と唱える祈りには、目・耳・鼻・舌・身・意…人間に備わった器官と本能を清らかにする努力を惜しまない、という強い意思が込められています。

不浄を祓うこと-
時に避けることができない、外からやってくる不浄(不快 不愉快な物事・音 陰口や文句・匂い・味 言葉・感覚・思考 想い)があります。

どの時代も、人間が最も清める必要があるのは「口」ではないでしょうか。

手水や塗香(ずこう)の作法において口元を清める意味の1つは、聖域で私語を慎むことであるように、口は災いのもととなり、言葉は人を生かしも殺しもする、という日常の気づきへと繋がっていきます。

言葉の持つ威力が、五根に影響しているのは事実です。

自らが不浄な六根を周りに発信しないように、可能な限り気をつける。

そのための「六根清浄」の約束を、魔除けの香りに教えてもらう秋空のもと
Anju
写真は、高倉稲荷明神が坐す中庭で満開の魔除けの植物 ヒイラギの花
モクセイ科ですが、こちらの香りはジャスミンにとてもよく似ていて、マスク越しでも分かるほどの存在感をはなっています。

努力が9割

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 季節, 想い, 祈りと医学, インターナショナル, 植物&食物, 聖地, 神仏, 修行, 大峰山, ことば, リトリート

努力が9割

櫻本坊では当山を基点に、吉野山奥宮への登拝修行 〜歩禅〜を、住職先達で同行(どうぎょう:共に修行をする)させて頂いております。
1300年前に、役行者が世界平和のために祈り歩み、天武・持統天皇が国家安泰のために仰ぎ拝んだ山々を、現代に生きる私たちも歩ませて頂く。

行中は「無言の行」とし、自然が語りかける、1人1人に必要な「声」を受け取る時間。
しかし、そこに「気づいていく」のは、誰でもない自分自身の心の在り方です。

何も考えない・何もしない・ただ黙っていれば、何かしら気づかせてもらえる…受け身な姿勢ではなく、自発的に気づく努力をし、意識し、肯定的な思考を生み出す訓練をしていきます。
すべてに宿る生命の重みは等しく尊く同じ-
その一歩一歩に、先人達の想いが宿り、自然の生命の営みの上に在る、人間としての生き方を考える。

努力せずして答えはでない中で、自分の心で決め、自らの足で歩みを進めていく そのいつも側で…「再生」のための道標を、自然はそっと教え続けてくれています

Anju
*現在(2020.11.11)の奥千本の紅葉の様子です

「優しさ」は真の強さ

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 想い, 祈りと医学, インターナショナル, 聖地, 修行, ことば

「優しさ」は真の強さ

“Having a soft heart in a cruel world is courage, not weakness.”

さまざまな修行や訓練、啓発が世の中には溢れていますが、その中でも「自分の心を強くしたい」という想いを、目標とされる方が多いかと思われます。

その強さを「不動心」と呼ぶこともあれば、「許し」と捉えることもあり、誰かを打ちのめすための力ではなく、己の弱さや限界を越えるための力として、私たち人類は「強さとは?」を永遠の課題としています。

祈りの現場で日々感じることは、人間として産まれ生きている限り、「何も感じない」強さを求めるために修行をしてしまうと、本来の目的とズレてしまうということ。

生きていると、色々なことと日々直面します。
それが日常の何気ないこと、もしくは生死に関わること、出来事の大小はあったとしても、その時、何をどう感じるかの先に必ずある、どう捉え動いていくか…が重要ではないでしょうか。

悲しみ 苦しみ 辛さ 嫉妬 無力感 悔しさ 矛盾に対する怒り…それ以上に満ちる喜び 嬉しさ 暖かさ 感動 愛おしさ 思いやり お互い様という許し。

感じることに素直であり、その感情とどう向き合い、他者へ恩返ししていけるだろうか。

他者の痛みを知り、その想いに寄り添う優しさや言霊は、何も感じない人間の“強さ”からは発信されません。

日本精神のひとつである「おもてなし」文化も、優しさという強さだと思います。

相手の全てを受け入れて、もてなす。
もてなされる側も、その気持ちを受け入れて、次は他者へペイフォワードを実践していく。

全ての感情を「感じること」、全ての人・物事を「受け入れること」は、難しい。難しいからこそ、それを受け取り…必要であれば手放す勇気が、強さとなります。

そして、正直者と真面目な者が損をする…そう言われる社会で、それでも優しさの心を向け続けることは、弱さではなく、真の強さ…と信じてやみません。
Anju