縁の下の力持ち

同行(どうぎょう) -側に寄り添う存在-

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同行(どうぎょう) -側に寄り添う存在-
吉野山の行事が斎行された七夕の本日
毎年 蓮の花を蔵王権現・役行者にお供えされ、8日 大峰山に登る修行へ向かわれる行者の方達が、当山に入宿されます。
朝4時に出発し、道中、山の神仏へ祈りを捧げながら、平均10時間ほどかけて大峰山上へと登拝。

先程、当山本堂に於いて 行者の皆様と共にお護摩を焚かせて頂き、神恩感謝・道中安全の祈りが届けられました。


どのような「修行」であっても、たった1人でしている/できる行はありません。

「同行(どうぎょう)」-

家族の理解があり、会社の理解があり、食と体調を管理する者がおり、周りで様々な形でサポートしてくれる人達があり、何より…自然に護られ、神仏に導かれてこそ可能になる「修行」。
多くの人達の想いや祈りと共に、修行者は自己を内観し、天下泰平 万民安楽の祈りを神仏へと捧げます。

時に私たちは「自分1人の力で成し遂げた」と思い上がってしまう弱さを持ち合わせています。

関わる全ての人たちも、形は違えど、それぞれの役割で、それぞれの持ち場で、一緒に修行をしているということ。

成し遂げるために、目に見える形 目に見えない形で支えてくれる多くの存在を、決して忘れてはいけません。

縁の下の力持ち、大地の下の根っこの部分がなければ、砂の上の城を建てるだけ。

さて、来週17日からは、奥駈修行が遂に始まります。
修行者の皆様は、体調を万全にしてお越しください。
そして、同行(どうぎょう)されるご家族の皆様、また「碑伝(ひで)」のお札*を納められた皆様、祈りの道の運心(うんじん: 心で歩む)に感謝致します。

Anju

*大峰奥駈修行 道中にある75靡(なびき)とよばれる霊場を巡り 勤行祈念し奉納される特別な木札。お納めする碑伝には 申込者のご氏名とお願い事が記入されます。

聖油-灑那(しゃな)-のご紹介

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「清める」ことと「香り」-聖なる香油-

問い: ”皆さんの心の水槽は、何色ですか?“


櫻本坊では「清める」ことを、とってもとっても大切にしています。

神仏の御坐すところ、神仏が気持ちよく来て下さり、心地よく居て下さるように、可能な限りピンと張った清浄さを保つこと。
またご参拝の方にも、気持ちよくお詣りして頂けるように、日々「清める」ことを怠らないよう心掛けています。

清め方法は様々ございますが、今回はその中でも「香(こう)」 による清め・祓い・護身のお話を-
社寺の参拝は、鳥居 仁王門に足を踏み入れた瞬間から、日常との気持ちの切り替えをし、なるべく私語を慎むことがマナーです。
そして、神仏の御前に詣でるにあたり、知らず知らずにつくってしまった禍事 罪 穢れを、まずは祓うということが、大変重要になってきます。

櫻本坊 境内の手水舎でのお清めを済ませ、内拝される際、お堂に入る前の入り口には「塗香(ずこう) パウダー状の香」と「塗油(ずゆ・香油・聖油) オイル状の香」があります。
特に塗油によるお清めは、卑弥呼の時代、古代エジプトの時代より継承されてきた、歴史が非常に深い作法です。
香料・香油の歴史の始まりは、神殿において神を迎え、その存在を観じるためでした。祈りの儀式において、自分を清め、場を清め、邪悪なものを祓い、神や仏をより近くに感じ守って頂くために使われる、神聖な捧げもの(供え香)でした。

災いの原因が全て「魔」であると信じられていた平安時代、源氏物語に描かれる香を作るくだりは、魔除け・邪気祓いの役割に繋がり、陰陽師 安倍晴明の儀式にも香が使われていました。

当山で使用している塗油(完全天然香料)は、一般的なアロマセラピーや香水とは異なる、本来の「香」の役割(清め・祓い・守り)に基づき、調香 調合 熟成されているものです。

そして、この度ご紹介させて頂きます、こちらの香油の製作をして頂いているのが、株式会社アトリエパルファン・香りのアトリエ代表 田代はなよ先生-
*プロフィール下記参照

櫻本坊の「祈りの世界」を、田代はなよ先生の「調香の世界」に委託し表現を依頼させて頂きましたところ、お寺の意向を深くご理解下さり、祈りを調香に置き換え出来上がったのが、当山完全オリジナルの「聖油-灑那(しゃな)-」です。

また本堂 御宝前におきまして、こちらの聖油を使われる方の「清め 浄化 魔除け」そして「道開き、前途光に満ちていく」ようにと、ご祈祷をさせて頂いており、お守りと同じ扱いになります。

一滴一滴に、神仏の祈りが込められているということ。
そして香料に主に含まれております「香木」の何千年というあいだ木を腐敗から守り、森羅万象を超えてきた力が宿っています。

答え: 黒い水が入った水槽に、墨汁を何滴落としても、その違いは分かりません。濁り続けます。でも水槽の水が透明であればあるほど、すぐに気付き対処し防ぐことが可能です。
常にクリアーな心身氣・視界を持ち続けることに怠慢にならない、この繰り返しこそ大切な習慣です。

にごる・汚れる…とは、氣が枯れ生命力が低下する「氣枯れ(穢れ)」と言います。より純粋な自身になることが、神仏と繋がる糸を確たるものとし、人生を幸運へと導いてくれるのではないでしょうか。
神仏の祈りが込められた「香」そして、祈りを届ける役割を持つ「香」
田代先生とのご縁と絆に感謝し、香料の世界の深さを通しまして「真の信仰の姿とは」の気付きを頂いております。ありがとうございます。

<プロフィール>
田代はなよ先生
株式会社アトリエパルファン・香りのアトリエ代表
調香師歴45年。
名古屋大学農学部にて卒論は香料研究。株式会社ツムラにて入浴剤の香りの商品開発後、渡仏。調香師教育を多くの名調香師(世界一のROUDO NITSKA氏が94歳で亡くなられるまで教えをこう)より受け、フランスの名門香料会社MEROBOYVEAUS.A.入社。化粧品会社の香水担当を要請され帰国。香水事情のもっとも良い時、フランス、日本で多くの香水のデザインテーマを経験、独立後多いにそれらを役立てている。
ウェブサイト: https://www.atelier-parfum.com/

*「聖油-灑那-」 現在香料を熟成中のため、次回頒布は10月を予定しております。(冥加料 一つ五千円)
現在ミニサイズも製作中です。随時情報を更新致します。
*「塗油」(冥加料 一つ二千円)もご用意がございます。
こちらは「塗香」と同じ香りとなっております。
*「塗香」(冥加料 一つ千円) パウダー状の清め香です。
中身のみ頒布、容器はついておりません。

Anju

祈りと医学 CAREとCURE -中部さい帯血バンク 講演-

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「祈りと医学 CAREとCURE 」〜中部さい帯血バンク 講演〜

本日、三重県で初の臍帯血採取施設となられました、三重県鈴鹿市 白子ウィメンズホスピタルにて、さい帯血採取施設 教育訓練内の講演を担当させて頂きました。
〜さい帯血がつなぐ生命の輝き〜

もし、医療の現場から「心」「祈り」「想い」が取り除かれてしまったら…それは医療の限界を意味する、と現場にいると強く感じます。

祈りの現場と医療の現場は、共通点が沢山あります。

アプローチが違うだけで、救うという使命感や、寄り添う姿勢と気持ちは同じ。
「生き方」「死に方」と真っ直ぐ向き合う現場。

「医療」は「心」です。
「祈り」は「医療」です。

祈りはイノチ、イノチは祈り。
想いは確実に生きる力となります。

60億とも70億ともいわれる、地球上に生きている人類。
生き 生かされているのは、私たちだけではありません。
自然も動物も植物も、みんな共に生きている。
イノチの始まりは皆同じトコロから産まれていて、すべては繋がっている 「一如」-

そう思うと…「他人事」なイノチはありません。

さい帯血バンク様との活動を通して、医療に携わる方々と共に、心と体のCAREとCUREの繋がり、祈りと医学の密着性を、お伝えし続けることの重要さと使命感を噛みしめています。

Anju


日本赤十字社 近畿さい帯血バンク様とのご縁から始まり、各病院(産科 婦人科 小児科)で、医療従事者の皆様(と妊婦さんを含む場合有)に向けて行われる教育訓練 講演担当は、今年で7年目に突入しました。
医師 看護師 助産師 医療事務職の皆様への教育訓練様子

*中部さい帯血バンク <さい帯血ってなに?>↓
https://www.chubu-cbb.org/entry1.html

近畿さい帯血バンクに次いで、中部さい帯血バンクは、移植施設(主に血液内科)への臍帯血提供数が2番の実績です。(*2019年1月-5月時点)
赤ちゃんの最初のボランティア

近年、血液の病気(特に白血病)の新薬・治療の著しい発展が話題になっています。

その中で、さい帯血移植・骨髄移植は、重篤な血液疾患の治療に役立っています。