Posts published on 9月 2020

吉野聖天大祭ご案内 〜恐れと歓び〜

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 季節, 祭禮, 行事, 想い, 祈りと医学, インターナショナル, 植物&食物, 聖地, 神仏, お守り, 修行, 大峰山, ことば
吉野聖天大祭ご案内 〜恐れと歓び〜

10月1日へ向けて、既にさまざまな準備が進む中、この時期 聖天堂に入ると感じる独特の空気感。

お祭りは「奉(たてまつ)る」「祀る」、神仏がお越しになられるのを「待つ」こと。

私たち人間の側まで、恐れ多くもお越しになられるのを待つと同時に、神仏も…お祭りを待って下さっているように感じます。

お祭りに凝縮される、何千年も続く人々の祈り・願い・尊い存在への恐れ・喜び・感謝…

年に1度、みなが心を1つにして、ご神饌をお供えし、良い言霊がたくさん入った祈りの言葉を捧げる日。

私たち人間にとっては、心が向かうところを再確認させて頂く「戒めの日」でもあります。

役行者がご感得された日本最古の聖天尊といわれる「完全秘仏 歓喜天双身天王」、そして…恐れられ荒ぶる神であった聖天尊をおさめた、ご本地仏「秘仏 十一面観世音菩薩」-

一如: 二柱 共にあってこそ、真のお力が引き出され、その御神意に触れさせて頂ける祭礼が「吉野聖天大祭」です。

Anju

<<令和2年10月1日(木) 吉野聖天大祭>>

○午前零時〜1時 聖天浴油秘法供 於 聖天堂

住職により例年通り厳修致します。

秘法供は非常に、非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂への一切の出入りを禁止しています。
ご参拝予定の方は、堂前(表)にて同行可能です。

○午後1時〜 聖天尊ご本地佛 十一面観世音菩薩 祭礼 於 聖天堂

例年通り、1年に1日(9:00〜16:00) のみ、秘仏 十一面観世音菩薩(聖天尊ご本地佛です)の御扉をご開帳させて頂きます。

○午後2時〜 大護摩供法要 於 櫻本坊境内道場

行列中止、行者出仕者人数を縮小いたします。

○お茶のお接待等は中止

<< ご参拝予定の皆様へお願い>>
・体調不良時(前日までに発熱や咽頭痛 他疑わしい症状がある場合を含む)のご参拝はご遠慮ください
・寺内 堂内では、マスクをご着用ください
・寺内 堂内へ入る際の、手指消毒 検温 時差入堂 人数制限にご協力ください
・堂内 法要中の私語厳禁は言うまでもありませんが、それ以外での寺内での会話は必要最低限に留めてください
・ソーシャルディスタンスの確保にご協力ください

その他、現場で随時ご案内させて頂きます。
皆様のご協力 ご理解をお願い申し上げます。

門を去るべきとき

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 想い, 祈りと医学, インターナショナル, 植物&食物, 聖地, 神仏, 修行, 大峰山, ことば
門を去るべきとき
「道」と名の付くところに必ずあるものは、礼儀・感謝・お互いへの敬意・思いやり・謙虚さ…そして不完全さ。

茶道・華道・書道・剣道・柔道・香道…神道 仏道 修験道、全ての「道」に通ずる共通点です。

今夏、幾度となく問われ続ける人種差別に関する問題で、米空軍士官学校トップのスピーチが話題になりました。

「他人を尊重し敬意をもって接することができないのなら、今すぐここを去れ。」

このメッセージに込められる想いは、全ての道にも言えることであると共感しました。

「道」を修める者、が忘れてはならない基本とは?

もちろん、各々の技術・作法取得も大切です。

しかし、自分は「イチ人間」であることを自覚し、人間としての「当たり前を当たり前にする」ことが大前提にあります。

人として他者を不快にするような言動を控え、思いやりが真っ先に自他を包む思考を磨き続けること。

特別な日・人前の行いだけではなく、ふだんの行いが、すべてに反映されていることに、今一度気付くこと。

「人としての道」での「修めるべき行い」が伴っていなければ、どのような道を歩むにも裸の王様となってしまいます。

その道から何を学びますか?
どこに続く道でしょうか?

各々の「道」、その門を去らねばならぬ事がないよう…この道を修めるための慎みと謙虚さを、当山では何よりも大切にお伝えしています。
Anju

イチ人間として

ボーダーレス, ことのは つづり, 縁の下の力持ち, 祈り, 季節, 祭禮, 行事, 想い, 植物&食物, 聖地, 神仏, お守り, 修行, 大峰山, ことば, リトリート
イチ人間として

今週末、当山では「得度受戒式」が執り行われています。心新たに生まれ変わり、神仏へ、十の約束(十善戒)を守る誓いをたてる、大変重く荘厳な儀式です。

神仏の「道 」と「教え」に出会い、その世界へと「渡り」歩ませて頂く「機会を得る」こと、そして人の模範となる心構えと言動への心がけを誓うことが「得度」。

純粋さや正直さを貫くことの難しい世の中で、それでも、揺るぎない信念を持って真っ直ぐな心で、自分と他者に接する優しさと勇敢さ。

自分が今できる100%で、生きる行いを修めていく、良い想いと 謙虚で真摯な姿勢を持ち続ける。

私たち人間は「当たり前」こそ怠けてしまいがちで、簡単でシンプルにみえる「当たり前」を「当たり前」にすることが、最も難しい。

「誰も見てないし、これでいっか」

そのような気持ちの怠慢を、自身に許してしまうことが既に「穢れ」、つまり「氣枯れ」と考えます。

こういった修行の道場では、社会での身分肩書・性別・年齢・国籍…全てを脱ぎ、皆が等しく与えられたイノチと向き合い、「イチ人間」としての本質が問われます。

全てに、その人の心構えが曝け出され、何一つごまかせない「後ろ姿」を見させて頂くことが多い現場であります。

誰も見ていない所、誰も見ていない時も、損得や見返りを考えず、怠らず行動する心構えをすりこんでいく。

この心構えの積み重ねが、日常の尊い「祈り」であり、人への「思いやり」と結ばれていくと信じています。

Anju