夢を、夢で絶対に終わらせないー
11月14日(日)、当寺院において最も重要な祭の1つである天武天皇例大祭を、滞りなく斎行させていただきました。
ご出仕ご参列下さった式衆ならびに、全国よりお心を向け共にご準備下さった崇敬者の皆様に、心より御礼申し上げます。
櫻本坊の歴史は、大海人皇子がご覧になった、壬申の乱の勝利を予言する、満開の桜の夢から始まりました。
皇子は、夢のお告げを信じ、勝つ意識を強く持ち、ここ吉野からご出陣されたと伝わっています。
そして天武天皇としてご即位後のご功績は、筆舌に尽くしがたいものです。
忍耐強くタイミングを待つ年数の長さ
いざ行動するときの勢いと気力
伴うリスクや責任を背負う覚悟と冷静さ
何をとっても、決して簡単な決断はなかったはずです。
どの時代も、夢が夢で終わったことは多く存在するでしょう。
何が正しいのかも常に曖昧な世の中で、また様々な無責任な言葉や矢が飛んでくる中で、「この道を行く」「必ず実現させる」という強い意思を保つことは、困難であるからです。
天武天皇が、いち人間として、常に高い目標や夢を持ち、神と仏の意志・祈りを信じきったこと。一国のリーダーとして、国を動かし、人の心を先導し続けたこと。
その確たる原動力の根底にある意志の強さは、今を生きる私たちが、日本人としてどう発展し続ければいいのかを、教えて下さっています。
櫻本坊は、これからも天武天皇の意志を継ぎ、本質は守りながら、でも柔軟に変化を恐れず、確たる信念と情熱を貫き通していきたい。
世のため人のために何かできるなら、常に、する側であり続けたい。
「夢を、夢で絶対に終わらせない」
天武天皇ご神前で、強く強く、意志を確認し合えた1日でした