「奥駈(おくがけ)」という単語が毎日行き交う、張り詰めた緊張感が続く、ここ数週間。
修験抖擻(とそう)最高なる練行といわれる『奥駈修行』入峰が、明後日となりました。
毎年この時期になると「もうすぐ奥駈ですね。気をつけて行ってきてくださいね」と、あたたかいお言葉を沢山頂きます。
また「行中のお弁当やおにぎりに」「修行前後の食事に」と、手作りの梅干しや新鮮なお野菜を、毎年この時期に送って下さる方もいらっしゃいます。
公に出ないところで、様々な形で修行に「携わる」同行(どうぎょう)の存在が、沢山寄り添って下さっています。
世界の至る所では、戦争の真っ只中であり、国内では、災害や震災からの復興を目指す渦中にある時、あえて「修行」ができることの、幸せ。
チョイスがある、ことの幸せ。
そのチョイスを、理解し、背中を見送り、帰りを待ってくれる、家族や職場がある、ことの幸せ。
お互いの顔が見えないところで、誰かが「修行が滞りなくすすむように」と、見返りなく支えてくれている、ことの幸せ。
これらの協力は、決して「あって当たり前」ではありません。
1人で「する」修行はたくさんありますが、たった1人で「できる」修行はほとんどない。
その真実を知り実感できる心得が深まるほど、初心・謙虚さ・感謝の言動が、修行者の姿勢や生き方全てに反映されていきます。
「人として」の軸となる心得を忘れず、託されたいろんな人の深い祈りを、全ての一歩に刻みながら登拝する、奥駈修行。
修行者の皆さまが、今年も全員無事に、怪我なく事故なく満行し、輝かしい笑顔で帰って来られますように。
参加者皆さま、何卒体調を調えて、ご帰山・ご来山ください。心よりお待ち申し上げます✨
着々と進む、奥駈の受け入れ態勢。
大講堂は、修行者の入宿道場となります。