縁の下の力持ち

お供えのいろは

縁の下の力持ち, 祈り, 祭禮, 行事, 想い, 神仏

「お供え」のいろは
<写真:吉兆羽根雲>

暦は神無月へと移り、夜空の透明感が増してきました。

明日3日へと延期になった吉野聖天大祭の準備も、いよいよ大詰め

お祭りの前後には、表には出ない多くの縁の下の力持ちの存在と、沢山の準備が行われています。
お祭り当日に表に出ることよりも、ほとんどのことが、前後の人が見ていない所で行われています。

何よりも真っ先に行うことは、やはり掃除。
何を行うにも、清めに始まり清めに終わるのが大基本。
それはそれは気持ちの良い尊い作業です

お堂やお社の清浄と同様に、神饌所(神仏へのお食事を作る場所)の清浄もとても大切にされます。

当山では、それが大黒(台所)にあたるわけですが、お供え物の準備をする前に、まず大黒を清めピカピカに火 水回り お釜をピカピカに

神仏に召し上がって頂くお供え物を取り扱う、また神仏のお力がこもったお供え物を下げてくる…その心構えと尊さを思えば、大黒も神聖な場所に変わりはありません。
<写真:御宝前には御饌御酒くさぐさのたなつもの✨そして芳しいかほりの百合のブーケを/出仕の方達が1日かけてついて下さったお餅✨真っ先に神仏の元へ届けられます。/当山に伝わる秘伝のお供え物✨>

そして、神職でいうと陪膳・膳部の所役、僧侶でいうと典座の役職、つまり神仏へのお供え物を最も身近に取り扱う役割は、古来より重役とされてきました。

家庭でも、社寺でも、何気なく「お供え物」が御宝前に供えられているように見えますが、今までの千年 毎日 毎年 そして未来永遠に…お供え物を献上できる尊さと喜びを思うと、神仏への感謝の気持ちが自然と湧き出るのではないでしょうか。

Anju

<<10月3日(水) 吉野聖天大祭>>

13:00 聖天尊ご本地仏 祭礼 於 聖天堂
14:00 大護摩供法要 於 境内護摩道場

1年に1日(9:00〜16:00) のみ、秘仏 十一面観世音菩薩の御扉をご開帳させて頂きます。

尚、10月3日 午前零時より聖天堂内陣にて、住職により秘宝供を厳修致します。

*秘宝供は非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂の一切の出入りを禁止致します。

*皆様による夜中の浴油はございませんが、ご参拝の方は堂前にてご同行頂けます。その場合は午前零時〜1:00の間にご参拝下さい。

「道」が「道」になる前の「道」-奥駈修行満行-

縁の下の力持ち, 祈り, 季節, 行事, 想い, 聖地, 神仏, 修行, 大峰山

奥駈修行、今年も無事満行することが出来ました。
多くの方のサポートと、祈りに感謝申し上げます。

山から戻って来られる修行者の皆さんのお顔は、毎年とってもイキイキ。
目がキラキラ輝いておられます。

「修験道」なんてカッコいい名前が付いていますが、役行者が実際に生きていた時、きっと名前なんてなかったはず。

ただただ純粋に、自然に身を置き、そこに宿る様々な神仏に祈りを捧げ、生きとし生ける全ての命への感謝と幸せを願い続けた「道」があった。

人間は自然の一部であって、共に生き、生かされ、命の循環の中で、与えられた生を生きる。

修験道、とは何か。
原点には何があるのか。

修験道という名と形に縛られない、もっと根本にある深い「祈る心構え」や「道」の在り方を今一度あらためて、振り返るべき転換期にあると感じて止みません。

Anju

8月は、女性のための奥駈が開催されます-

新月の祈り ‐奥駈修行‐

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Heading to Okugake Pilgrimage

本日明朝3時30分、奥駈修行(5日間の大峰々中登拝)へ出発された修行者の皆さん。

毎年来られる方、新しく来られる方、今回で引退を覚悟して来られる方。修行者自身の胸中も様々。

ご家族の方の理解や支えがあってこそ、実現できる修行。自身と他者の祈りと想いを込めながら歩く道。

サポート隊が毎年ただただ願うことは、とにかく全員無事に、誰1人怪我 事故なく帰ってきますようにの一心。

明日は新月。
新月の日の願い事は叶いやすい、とちまたでは言われます。

新月の力がみなぎる奥駈修行期間を通して、修行者・その家族・そして全ての人の祈りが、満月のように満ちていく事を願って…

Anju

写真は、出発前 本堂前にて。
道中安全祈願の勤行-