ことば

その音や声が聞こえなくなるまで

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本日 午前3:30 奥駈修行 出発。

曇り空の間に、星が見え隠れし、朧月に照らされる朝ー

リュックにつけた鈴の音、金剛杖が大地にあたる音、錫杖、法螺貝、お経を唱える声が、暫く吉野山に響く神秘的な時空間。

その音や声が聞こえなくなるまで、水分神社〜金峯神社〜青根ヶ峰を越える頃まで、毎年寺内の窓から山を見上げます。

「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
「おかえりなさい」
「ただいま」

これらの言葉の重みを噛み締める、奥駈修行。

見送る時の、修行者の背中と、迎える時の、皆さまのお顔。

どうか全員、無事に、怪我なく、それぞれの「満行」を全うできますように

行ってらっしゃい✨

……
本日は、吉野山〜大峰山上コースとなります。
*およそ11時間の登拝コース

出発日 午前2:30の朝食
「いただきます」「ごちそうさま」の感謝をこめてー

その真剣な想いと眼差しに

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奥駈修行 初日✨

本日15:30、奥駈修行者の皆さまと共に、本堂において「道中安全祈願」のお護摩と、結団式を致しました。

初日の護摩は、いつも独特の緊張感が漂っています。

新メンバーが年々増える、奥駈修行。

毎年、全国各地より、それぞれの胸中、様々な想いと動機を持って、この日に向かって真摯に準備を整えて来られます。

その真剣な想いと眼差しに、毎年ご一緒できること、お寺として心より幸せに感じる修行が、「奥駈」。

ピリリとしながらも、参加者皆さまが作り出す全体の雰囲気は、自然と穏やかで、優しく、あたたかいものが流れています。

櫻本坊の神仏も、皆さまと共に歩み守って下さる奥駈道中ー

すべてに感謝し、託された祈りと言葉の力を信じて。

奥がけ 心がけ 命がけで、この途切れることない祈りの道を、各々の光で明るくしていくことを願って✨

チョイスがある、ことの幸せ。

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「奥駈(おくがけ)」という単語が毎日行き交う、張り詰めた緊張感が続く、ここ数週間。

修験抖擻(とそう)最高なる練行といわれる『奥駈修行』入峰が、明後日となりました。

毎年この時期になると「もうすぐ奥駈ですね。気をつけて行ってきてくださいね」と、あたたかいお言葉を沢山頂きます。

また「行中のお弁当やおにぎりに」「修行前後の食事に」と、手作りの梅干しや新鮮なお野菜を、毎年この時期に送って下さる方もいらっしゃいます。

公に出ないところで、様々な形で修行に「携わる」同行(どうぎょう)の存在が、沢山寄り添って下さっています。

世界の至る所では、戦争の真っ只中であり、国内では、災害や震災からの復興を目指す渦中にある時、あえて「修行」ができることの、幸せ。

チョイスがある、ことの幸せ。

そのチョイスを、理解し、背中を見送り、帰りを待ってくれる、家族や職場がある、ことの幸せ。

お互いの顔が見えないところで、誰かが「修行が滞りなくすすむように」と、見返りなく支えてくれている、ことの幸せ。

これらの協力は、決して「あって当たり前」ではありません。

1人で「する」修行はたくさんありますが、たった1人で「できる」修行はほとんどない。

その真実を知り実感できる心得が深まるほど、初心・謙虚さ・感謝の言動が、修行者の姿勢や生き方全てに反映されていきます。

「人として」の軸となる心得を忘れず、託されたいろんな人の深い祈りを、全ての一歩に刻みながら登拝する、奥駈修行。

修行者の皆さまが、今年も全員無事に、怪我なく事故なく満行し、輝かしい笑顔で帰って来られますように。

参加者皆さま、何卒体調を調えて、ご帰山・ご来山ください。心よりお待ち申し上げます✨

着々と進む、奥駈の受け入れ態勢。
大講堂は、修行者の入宿道場となります。