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過去の遺産か、最新の革新か

“教会は伝統ではなく、過去でもない。教会は前進するものです。” (映画『教皇選挙』より)

伝統は、古くさいもの。ひと昔のもの。しがらみ。束縛。だから、発展がない。進歩がない。

本当にそうでしょうか。

天武天皇が制定された「遷宮制度」。
その伝統は、万葉の御代より令和の現代まで、1300年続いています。

それは単純に20年に1度、古くなった社殿を新しくすることだけが、目的ではありません。

「20年かけて」行う壮大なプロジェクトは、1日も怠ることなく積み重ねられる、人々の祈りと、神仏へのご奉仕、技術と作法の継承、そして次世代の育成が含まれています。

その初心・心構えを途絶えさせないために、天武天皇は「同じことを繰り返す意味」「更新の文化」を未来(現在)に繋げることを最も願っておられました。

同じことを繰り返すことは、簡単なようで、全く容易ではありません。真似事ではなく、常に考える必要があるからです。

伝統は過去の遺産ではなく、未来へ繋げていくために、どんどん更新し進化し、前に進めていくものであれば…

本質を守りながらも、革新を恐れずに誠心誠意、常に最新の伝統を後世へ伝えていきたい。

きっと、天武天皇ご自身も、櫻本坊の歴代住職たちも、そんな風に、時代の折々で試行錯誤しながら、この祈りの道を前に進めてきて下さったはず。

いずれであっても、受け取った有難い伝統と祈りのバトンを、私たちも磨き続けて参りたいと、天武天皇に勇気を授かる日々です✨

………
先だって16日、本堂にて特別ご開帳しておりました、天武天皇ご神像の御扉を閉めさせて頂きました。
本年も沢山の方々にご参拝いただきまして、心より感謝申し上げます✨

櫻本坊から発信される揺るぎない祈りと想いが、皆様のこころと人生の岩戸開きに結ばれますよう、吉野山よりいつも…お祈り申し上げます。

※なお、宝聚堂(宝佛殿)は、引き続き11月30日まで特別ご開帳中です
※写真は本堂前の縁側から眺める奥千本の紅葉

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