GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

海と浜辺を行ったり来たり

随時受付しております、寺内にてして頂ける写経・写仏。

まずは、墨をすることから始めます。
墨をする、という行為は、ただただ墨液を作るためだけの時間ではなく、現代社会でザワザワしがちな心を、静かに静かに落ち着かせていく、とても大切な時間✨

硯の窪みは海で、平らな部分は浜辺と想像しましょう。
海と浜辺を、行ったり来たりと…月夜に美しく砂を撫でる波の如く、丁寧に墨をする。

ご自身が創りだす波の穏やかさに、日常で忘れそうになる、人への優しさと、何より自分への優しさに気づいて頂けますように…そのようなホッとする時間を提供できるよう、いつも心がけていることです✨

人間の持つ未知なる強さ

”Hey, look at the big picture. Time is running out.“

(真の視点を得るために、もっと人生の全体像を見てみて。時間は待っていてはくれないんだから。)

「自然と一体になる」という言葉をよく使いますが、そもそも自然と一体でありながら、自然から離れる選択をしてきたのは、私たち人間の方だという現実に、はっとさせられます。

人生の指針となり、リマインダーとして、数多くの教えと恵みを提供してくれる自然は、果たして不必要で不便な場所なのでしょうか。

吉野の奥千本で出会った、この白骨化した鹿の姿から、人間の弱さを痛感しました。

そして、必ず全員が「死」に向かう事実を知りながらも、懸命に意味を求め、同じ定めを持つ他者と縁を結び、「幸せ」や「感動(感情)」を積極的に得れるよう、生きる。

幸せという経験や、人とのご縁は、繋がれば繋がるほど、手放す時、離れていく時、別れの時の辛さは深まります。

形として残るものは僅かでも、記憶や感覚、言葉や想いは、必ず何処かで誰かのもとで受け継がれていく。

形なきものを糧に、生きる力を呼び起こせる、人間が持つ未知なる強さの根源にも、少し触れれたような気がしました。

受験生皆さまのご健闘を心よりお祈りしています

中高大学受験・国家資格試験へ向けての、合格祈願のご祈祷・ご参拝も多いシーズン✨

懸命に頑張っていらっしゃる学生さん達同様、ご家族の方々の、体調管理や言葉のかけ方など、気遣いによる緊張感も伝わってきます。

勉強できること、学べること、教育を受けれることは、大変幸せです。
しんどいけれど、今しかないこの時間を、しっかり味わって経験して、未来の糧となりますように。

ご祈祷後、山門を出られる皆さんの背中を見送るとき、自身の身内のことのように感じながら、エールを送り続ける日々です。

受験生皆さまのご健闘を、心よりお祈りしています。
そして、嬉しいご報告を兼ねて、次は吉野山にゆっくり遊びに来てくださいね✨

善行を積み重ねた家は

“積善之家有餘慶”
櫻本坊 第65世住職(先々代) 良海 書

「積善の家に餘慶あり」(『易経』「坤卦」)
善行を積み重ねた家は、その報いとして子孫に必ず幸福がおとずれる。

“The family that accumulates good will be rewarded with abundant happiness.” (Yi jing, or Book of Changes)

Calligraphy by the 65th Abbot of Sakuramotobo, Tatsumi Ryokai.

雪景色に包まれて

雪景色に染まる境内。

吉野山内の道路状況ですが、所々雪は残っていますが、上千本までは、凍結は今のところございません。
※但し、奥千本へ向かう坂は充分お気をつけください。

年始めの祈祷法要が続いておりますが、3連休ご参拝をご予定の皆様は、充分足元にお気をつけてご来山ください。