祈りのクリニックを目指す
令和6年9月8日に行われました、近畿医師会連合定時委員総会内にて、当院 ザイレ法雲による特別講演「當病平癒の世界―祈祷寺における心と身のケアー」、をさせて頂く機会がありました。
医療の現場と祈りの現場には、多くの類似点があります。
私たちは、折れた骨をくっつける技術も、腫瘍を取り除く手術の知識も、持っていません。
言うまでもなく、人間の身体を治療をするのは、医療従事者の皆さまです。
一方で、病による身体の苦しみだけではなく、精神的な苦しみを伴う時、その悩み・不安やストレスを緩和し、心の部分での治癒を目指すのが、祈りの現場。苦しみと向き合う勇気を支えることが、我々の役割です。
更には、命を救う大変過酷な現場にいらっしゃる医療従事者皆さまのお仕事・環境を、かげながら支えられるような体制を築きたいと、櫻本坊は祈祷寺として長年想い続けてきました。
病院とお寺は、全く異なる環境ではなく、対立する関係でもなく、積極的に意見交換をし、理解しあい、協力しあえる関係が、これからの社会では益々必要不可欠になっていくと思います。
祈祷寺として、日々、多様な方々の人生に寄り添う機会が多いなかで、心底願うこと。
1人でも多くの方の「喜びを倍に、悲しみや苦しみを半分に」するために。その先に続く人生への希望を信じ、確信へと繋げるために。
必要としている方の、祈りのクリニックとしての役割を果たしていきたいと、日々強く想うことです。
この度、大変貴重な場を与えて下さった、近畿医師会連合委員長(奈良県医師会会長) 安東 範明先生に、厚く御礼申し上げます。
『奈良県医師新報』10月1日号、オンライン冊子(24ページ〜26ページ)にて読んで頂けます↓
https://nara.med.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/10/kaihou_202410.pdf