人々の想いと祈りは世界中で、宗派や国籍や言葉の垣根を越えて繋がっていることを、強く感じさせてくれる、新年へ向かう今の時期。
どのようなことがあっても、未来を信じ抜く強さと希望を与えてくれる家族や大切な人へ、最大の感謝を伝え合うクリスマス。
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“長年教会にお仕えしてきて、何より恐れるようになった罪がひとつあります。
確信、です。
確信は一致を阻む敵であり、寛容の大敵でもあります。
キリストでさえ最後に「神よ。なぜ私をお見捨てになったのか」と確信を持てず、十字架の上で叫びました。
信仰は生き物です。疑念と手を取り合い歩むものだ。
もし確信だけで疑念を抱かねば、不可解なことは消え、信仰は必要なくなる。
求めるのは、疑念を抱く教皇です。
その教皇は、罪を犯しても赦しを請い、進み続ける。”
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今春公開された映画『教皇選挙』は、国も宗教も規模も違えど、グッと心を捉えて考えさせるメッセージが至る場面でありました。
誰もが、自分の正義と常識を持って生きています。
それは、多様な世界で、人の数あって当然といえば当然です。
しかし、自分がいつも1番正しい、と確信を持つことは、怖い。
正しさと正確さは別のもので、正しさは正義ではない。
正しさが確信に変わる時、もしかすると、多様性や柔軟性は薄れていくのかもしれません。
間違いや失敗を経験したことのない人、完璧な人物などいません。
だからこそ、人と人のご縁…そこから導かれる人生のストーリーは、人智を超えたものがあります。
どれほどの力によって、人1人が生かされているかを思うと、身近な「世界」である日常・家族・地域・職場から…自分と相手へ、優しくあたたかい言葉と想いを伝える選択をし続けられますように。

with love,
メリークリスマス