GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

奥駈修行 道中の様子をご紹介

令和7年度 奥駈修行 道中の様子をご紹介
一歩、一歩。
役行者が歩いた道を、共に。

ひとりひとりの想いが、同行する皆と重なっていく。
法螺貝にのる、祈りの声の、美しさ。

自然の大きさ。人間の小ささ。

人間の一生が、いかに短いのかを考えさせられます。
大切にすべきことを、人を、今を、大切に。
見つめる先に。
想いを向ける先に。

常に危険と隣り合わせな道中。
次の一歩に迷った時、そこに必ずある、手や足をかけれる窪や石、木の根っこたちの存在。

自然が、導いてくれる。
同じ道を歩かれた、数え切れない先代たちが導いてくれる。

これ以上ない、ありがたさ。

修行者全員で行う、各靡での勤行。

その目的が、自己顕示でないことは、明らかな行。
祈りは、自己のためだけにあるものではありません。

一緒に想い合い、一緒に祈り合い、一緒に生きている、私たち。

他者の喜びを倍に、悲しみや苦しみを半分に。

顔の見えないところで、誰かが誰かのために、全員のために、祈りが捧げ続けられていることの、純粋さ。

修行者を包み込む、大自然の包容力。

手入れの行き届いた、庭園の花々や木々も大変美しいです。手入れされる方々の御心や配慮が伝わり、心洗われます。

同時に、自然の中の花々や木々の姿…例えばワイルドな大小のツツジや、背の高さが不揃いな樹木たち。

ありのまま。そのまんま。
その美しさも、庭園に劣らず、素敵です。

自然は、偽ろうとしない。
私たちも、自然を変えようとしない。

見方を変えると見えてくる、いろんな美しさ。
そこを「美しい」と思える心。

多様性とは何かを、真摯に教えてくれる、大自然という大先生に抱かれる幸せ。

“Everything you imagine is real.”
もちろん、行動あってこそ。

自分の足と目と肌…六根で、心で、その時そこで、実感実践すること。
極めてアナログな世界、それが修験道。
目標を、理想にしない。
期待はしないが、希望は持つ。
理解はするが、賛成はしない。

今年よく目に入る言葉です。

パッと言葉だけ見ると、冷たく自分勝手なように見えますが、順番を変えると、「言葉」の捉え方・見方の多様さと、「言いたい事」と「言い方」を分けて考えることの重要性に気付かされます。

理想を、目標としない。
希望は持つが、期待はしない。
賛成はしないが、理解はする。

言葉は、真実の全てではないこと、「伝えたいこと」の全部ではないことを、今一度気付かされます。

「言わない勇気」も必要な場面に出会う時、何を観察し、どの感覚を信じるか。また、自身も、どのようでありたいか。

人の後ろ姿、背中が答えのひとつであると、毎回感じることです。

背は、目は、口ほどに物を言う。
見る人は、ちゃんと見てくださっています。
神仏を含め✨

そんな勇気と自信を与えてくれる、山という学校、処方箋薬局、そしてスイートホーム🏔️
最初から、
完璧じゃなくていい
完璧を求めなくていい
完璧を目指さなくていい

そう安心させてくれる、自然の力✨

道中の、束の間の休憩時間や、先達の打合時間、各所・各行の説明時間。

同行(どうぎょう)する仲間との出会いも、当たり前ではない、尊いご縁。
共にするどの時間も、当たり前ではない、尊い時間。
生き生かされている、当たり前と思ってはいけない、実感。

最終日、山からお寺に戻ってきた折に焚かれる、満行の祈祷護摩。
道中の安全を守って頂いた神仏へ、奥駈を支えて下さった数多くの方々へ、絶えぬ感謝が捧げられる護摩。
奥駈に託された祈願のすべてが、成就しますように。
祈りの真髄が宿る、護摩。

今年も、奥駈道中の様子をご紹介できること、笑顔のお写真をお届けできますこと、決して当たり前と思っておりません。

大変貴重な修行の様子を、こういった形で、里の私たちに届けて下さった先達 ならびにフォトグラファー Banri様に、深く感謝申し上げます✨ありがとうございます✨

「山伏や行者に限らず、できるだけ多くの方が、奥駈に参加できるように。誰でも、奥駈を経験できるように。」

先代住職 第65世 良乗(りょうじょう)の言葉・精神・モットーを、約束を、その背中を、いつも思い出し、引き継いで参りました。

人生のすべてを、吉野大峰の発展のために捧げた先代の住職たち、先人たちの存在。
その並々ならぬ覚悟と情熱は、いまの時代を生きる私たちの、かけがえのない励みとなり勇気となっています。

これからも、その精神性をさらに磨き、情熱を燃やし続け、皆さまと共に歩んで参りたいと、心より願っております。

今年も、素晴らしい笑顔と眼差しという、後世に伝えていきたい宝ものを、ありがとうございました✨

Photo by Banri
(上から3枚目のみ Photo by N.H)

簡単で楽なこと

神仏へ捧げる「お供え」である、護摩法要用の「乳木(にゅうぼく)」の準備も、日々の大切な作務。

機械化・大量生産に頼れるところは、もちろん頼らせていただく。
でもあえて、手作業でする…手作業でしかできない場面も、日々たくさんあります。

なにひとつとして、簡単で楽な作務はありませんが、楽しいと思えること、一緒にできる方達とのご縁、「考える」時間、どのような日々も、ありがたいかぎりです。

講演会ご案内

講演会ご案内✨

この秋、あたたかいご縁の繋がりで、当院にて講演会が開催されます。

「子どもたちが生きる喜びを感じられる、様々な環境を提供したい!」

その想いを力とされ、実現されているお姿は、いつも励みを頂きます。
更に、その想いが広がっていきますことを心から願い、皆様のご参加をお待ち申し上げます。

………
「わたし生きてて意味あるんかな?」
四年にわたる不登校の娘二人と母のストーリー

🔸日時:11月2日(日) 13時
🔸講師:西 名美さま
🔸会場::櫻本坊
🔸当日の流れ:本堂にて勤行参列(法話含む)〜講演会〜シェア会・発表会〜自由時間(16時終了予定)
🔸参加費:大人 2,000円(拝観料含) 小学生以下無料

お問い合わせ・お申し込みは、講師インスタグラムより↓
@nami_nishi_
https://www.instagram.com/nami_nishi_?igsh=a2N4ZXI4ZzJjYWV1

💠講師ご紹介💠
西 名美さま
フリースクールME代表
長女小学4年生、次女小学2年生の時より約4年にわたる不登校を経験。長女の言葉「私モデルになりたいねん」を機に2024年3月子どもファッションショー「THIS IS MEプロジェクト」を開催、大成功を収める。以降子どもたちが生きる喜びを感じられる様々な環境を提供。2025年7月大阪にて【フリースクールME】開校。全国47都道府県にフリースクールMEをひろげる事を目標にかかげ、講演活動も精力的に行っている。

今日の大峰山

「今日の大峰山🏔️」

あっという間に、大峰山 戸閉式まで1ヶ月をきりました✨

Photo by 住職 08.29(金)

明け方の星へ向かう

弥山から明星ヶ岳の靡へ⛰️

奥駈道の目印となる、碑伝(木札)たち。
祈られてきた、人々の記憶と記録、歴史、重み。

そう簡単には行けない、山奥に生きる信仰の偉大さ。

誰かがそこに祈りを捧げ、想いを預けるかぎり、その場所は生き続ける。

時代を経て、お互いの顔が見えなくても、同じ場所に立って、同じ方向を向いて、手を合わせる姿が重なることの、尊いご縁とあたたかさを実感します。

……
聖地巡礼「弥山」登拝修行ご案内
〜1泊2日コース 女性大歓迎!〜

開催日: 令和7年9月14日(日)~15日(祝・月)

山の修行が初めての方を含め、誰にとっても、いろんな形で楽しめる山、弥山。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
お申込み締切は、今週末です✨

行程詳細・お申し込み方法は、下記よりご確認ください✨✨✨
https://sakuramotobou.or.jp/event/2025/2025091415.html