GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

やえ

さて
吉野山の桜の季節も、そろそろ終盤。
あっという間に時間は過ぎていきました。

しだれ降る
しだれ夕陽
葉桜になった夢見の桜の下にもぐるように立つと、上から枝が降ってくるような視点に、何だか安心感を感じたり。

夕陽が照らされる境内には、そろそろいつもの静けさが戻りつつあります。

今日は、八重桜について。
月の満ち欠けのリズムを意識しながら生活していると、日々、身体やメンタルの変化や流れ、また自然界の変化なども感じとれるようになってきました。

例えば、桜の季節である4月は、桜の香りをふと強く感じる瞬間があります。

色んな所では「さくらの香り」や「さくらの味」のものが多く出回っていますが、本当の桜の香りをご存知ですか?^^

月の満ち欠けと桜の香り。
満月の夜に満開の桜が一斉に香り立つ事は、よく知られています。

満月は Full Moon、生命力が満ちる日。
自然界も、私たち人間も、たっくさんのエネルギーの影響を受けています。

full moon

今年の4月の満月の日は、7日と22日。
残念ながら、こちらでは7日は雨の日と重なり、また桜の満開とずれたので(22日は満開が過ぎます)、はっきりとした香りを愛でることは出来ませんが、それでも、かすかに香ってくる瞬間はあります。

私自身は、今まで何度か、幸せなことに満月の夜の満開の桜を経験し、本当の桜の香りを知りました。
満月の月光のもと、その光を受けて、ボワんっとぼやけて浮かぶ薄っすらピンクの花びらと、辺り一面に香りだす桜の香り。
幻想的で美しく、天国ってこういう場所で空間をいうのかな?と思わずにはいれませんでした。

そして、その香りはどの時も、境内に咲いている八重桜からでした。

やえ2(八重桜は、その花の重さでここまで枝が降りてきます)

桜餅の香りが1番近いように思います。
懐かしく、子供心を思い出させてくれるような柔らかい香り。
言葉に上手く表現できないのですが、シャボン玉みたいに、触ったら壊れてしまう儚さを持つ桜の香りは、同じように危うさがありながらも、人の記憶に残る忘れられない「印象的」な顔を見せてくれます。

桜だけでなく、どんなお花でも言えることですが、花に鼻をくっつけようにして嗅いでも、花の香りはしないのです。
ふと気付くと、遠くからフワッ風に運ばれる香り。
自分の周りを包み込んでくれるように優しく寄り添ってくれる香り。

身近なセラピストは、自然そのもの。
自然に全てを委ねることは、時に人生の1番のコンパスになってくれたり。
(ポカホンタスみたいに^^)

 

当山の桜は、天武天皇が夢で見た「夢見の桜」が有名ですが、4月中旬〜下旬に満開になるショッキングピンクの八重桜も圧巻です!

やえ
やえ夕陽

そして散り際の真っピンクの花びらの絨毯の華やかな雰囲気が、個人的には1番好きな空間。

桜本坊の境内の桜たちは、4月の吉野山の混雑時をあえて避けるように、ひっそりと静かに咲き、控えめで恥ずかしがりな子達が多いようです^^

絨毯階段

龍
*写真は当山ホームページの写真館より

これからも、ずっとずっと、この桜たちが元気でありますように。
これからも、ずっとずっと、この桜たちを愛で続けれますように^^

ずっとずっと、桜を想う心が、続いていきますように。

ずっと、ずっと。

by anju

色んな方の支えがあって

昨日4月8日の夕方🌅

門の外で、大きな車の上に太鼓を固定されていました。
仙台へ帰られる、和太鼓「幻創」さんの神々しい姿

昨日の、イイね!な瞬間

Anju

花まつり〜縁の下の力持ち〜

4月8日はお釈迦様の誕生日!
当山でも様々な催し事が行われました。

今年は、歌手の櫻-sakura-さんによる歌の奉納、毎年来て頂いてる仙台出身の「幻創」さんによる和太鼓の奉納、本堂でのお釈迦様誕生仏への甘茶かけ、そして大護摩法要がありました。

櫻さん

当山の法要事の中でも、参拝の方が多く、非常に賑わいのあるお祭りで、沢山のご信徒さんもお手伝いに来てくださいます。

そ・こ・で!
このブログを通して伝えていきたい事、その一つに、櫻本坊を支えて下さっている縁の下の力持ちの方々の存在。
・・言い方を変えれば、裏方の存在です。

法要・神事の様子を中心に書くのが目的ではありません。
なかなか表に出ない(まだまだ知られていない)櫻本坊の軸や想いを、沢山の方にお伝えしていきたいです!

ご信徒さんへのお昼ご飯のお接待には、毎回、全て手作りの薬膳・精進料理や精進弁当をお出ししますが、食べる方の健康と幸せを願いながら、作ります。

おにぎり
(今回は、佐藤初女さん風”おにぎり”2つ・お漬物・ひじき蓮根・車麩フライ)

「美味しくなあれ!」
「笑顔で食べてくれますように!」

と、例えば今回のようなおにぎりの場合、お米一粒一粒に愛情をいっぱいこめて、ぎゅっぎゅっ、と握ります!
思わず、握りながら、言葉に出して皆で唱えるように言ってました!

「昔の人は、般若心経を唱えながら、おにぎりをむすんでたんよ^^」

そんなお話も聞くと、いっぱいの愛情が伝わるツールである「ご飯」の深さと、日本人の精神を感じました。

この時も、作り手も笑顔で楽しく^^
作り手の気持ちは、必ず食べる方に伝わるからです^^

実際のところ、食べてしまえば一瞬!であることが多い「食事」ですが、目に見えない所では、人の手による、このような「想い」や「祈り」が存在します。

台所

握る!
詰める!
よく聞く言葉「大黒」ですが、台所は、どこの家庭でもそうですが、とっても神聖な場所。

家族のための一番最初の薬局であり、また「地・水・火・風・空・識」全てが良いハーモニーで存在する場所です。

マクロビオティック・食養医学・薬膳・精進・薬草・・
(当山の大黒柱の奥様はマクロビオティック師範卒業、現在も薬膳・食養医学のクラスを受講しており、常に学びを深めているエキスパートです)

来られる方の心身の浄化とケアを願う台所とは、護摩と同じように「祈りの現場」。
外の護摩やお堂での法要だけが注目されがちですが、根本にある軸の中心の一つに「大黒」が存在していること。

お餅つきも同じこと。
古来、お餅つきも、神様にお供えする神事です。
仏様・神様・そして皆さんの手に渡るまで、様々な方の支えがあってこそ実現します。

おかまさん
おもち1
もちつき
森さん

草部さん

参拝の方が見守る中で、神事として、護摩道場で、お餅つきは執り行われます。

お餅つきは体力がいること、出仕者の方々の、特に陽性な氣を入れてついて頂きます。
外国の観光客の方には大人気で、よく質問を受けた場面でもありました!

まるめる!

まるめる2!

ついたおもちを丸くまるめて〜

こちらは、おばさま方の優しい、真心いっぱいの氣が入りました^^
陰陽の氣がぎゅうっと詰まったおもち。

台所は、こんな素敵な笑顔の方々にも支えられて、朗らかな雰囲気の中、ここからも、人へ愛が届けられます。

甘茶1

甘茶2
花まつり!といえば、甘茶!
当山の甘茶(made in japan)も、漢方薬局さんから毎年取り寄せています。
生薬として知られていて、サポニンが成分として入っているので、中枢神経への鎮静効果が期待でき、心の平安をサポートしてくれます。

サポニンと聞くと、朝鮮人参を思い浮かべるのですが、副腎皮質ホルモンの分泌を促してくれ、ストレスに負けにくい心身へ導いてくれるので、甘茶にも似た働きがあることになります。

またアンチ アレルギー・アンチ エイジング効果もあり、この時期ですと、花粉症にも良いですね^^
個人的には、入浴剤に使用するのが好きです^^

お寺・神社・教会など、『祈りと植物(医学)』についても、こちらのブログで色々お話していきたいな、とも考えています^^
(当ブログ担当者は、植物療法士の免許保持者です)

今年の花まつりも、無事終えることができました。
たくさんの方の支えと協力に恵まれ、そして祈りと愛が満ちた日でした。
ありがとうございました。

皆さんにとっても、今日という日が、愛に溢れた1日でありましたように^^

by anju

夢見の桜 開花

境内の「夢見の桜」が 3月31日現在で5分咲きです。

夢見の桜0331
吉野山全体は、まだまだこれからが開花となっているなか、しだれ桜は毎年どの桜よりも早く満開を迎えます。

そして4月の桜のピーク前に、ひっそりと散っていき、しだれ桜の満開を見れる方は、実は毎年ごくわずか…

桜本坊の夢見の桜を、ゆっくりお楽しみ頂けるのは3月末〜4月初めです。
※早い年は3月末には散り始める事もあります

桜は日本の王花であり、吉野山のご神木でもあります。
また桜は、古来より浄化作用があり、嗅覚による浄化(満開の満月の夜に一斉に香る花)、視覚による浄化(愛でることによる心の安らぎや高揚感)、そして桜木の灰は、蒔くことによる土の浄化が期待でき、また私達の皮膚の傷の殺菌や治癒にも役立てられてきました。
心身の浄化という観点から見ても、桜から気づかされる事は沢山ありますね。

大変混み合う吉野山の中でも、人の混み合いが比較的少ないので、ゆったりとした時間が流れる空間で、鳥のさえずりと境内にある滝水の音を聞きながら、春のそよ風を感じ、心があらわれる体験をして頂ける場所となっております。

しだれ桜を愛でに、ぜひお越しくださいませ。

夢見の桜0331/

by anju

インターナショナルな修験実習

3月14日〜16日の3日間を通して、ドイツ人の方と住職の勉強会がありました。

lecture
日本語と英語を交えての、修験道の勉強と質疑応答、座禅・勤行・滝行の実習、そして笙の窟(しょうのいわや)へのお参りなど、非常に内容の濃い3日間でした。

滝行
お昼に頂く薬膳・精進料理に関しても、ただお腹を満たすためだけに食べるのではなく、食物や植物の生命エネルギーを頂くことへの感謝の気持ち、どう心身への作用があるのかも説明が入りながら、日々・日常の生活の中にこそある気付きや先人の教えというものを体感されたのではないでしょうか?

精進料理
桜本坊は、神仏習合・修験道 道場ですが、何も滝を浴び、お経を唱え、山に入るような荒行だけが修行ではありません。

毎日の日常生活を大切に丁寧に生きる、ということを基礎と考え、自己と向き合う内観を重ね、他者と多様性を尊重し、共に向上を目指すことを第一と考えています。

言葉・人種・文化などの違いをこえて「祈る」心を共鳴できる機会があることに、嬉しく思います!

近年、当坊でも、外国の方からのお問い合わせや、修行体験のお申し込み、また、修験道の精神を教えてほしい、と大きなバックパックを背負って海外から飛び込んで来られる方も増加してきました。

祈ることは世界共通。
桜本坊も、世界へ向けて門をオープンした場所であり続けます。

by anju