GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

奥がけ 心がけ 命がけ

奥がけ 心がけ 命がけ

修験抖擻(とそう)最高なる練行といわれる『奥駈修行』入峰まで、1週間となりました。

寺内はここ数週間、ピンと張り詰めた「奥駈モード」が続いています。

今年も、新メンバーを含む、20代〜70代の善男子が、奥駈修行に入ります。

参加者は、それぞれの想い・動機を持ち、大峰の山々へ祈りを捧げながら歩んでいきます。

また、自分だけではない、多くの方の深い想いを託され、その祈りを全ての一歩に刻みながら、皆の心と共に登拝するのが、奥駈修行の軸にある大切な目的の1つです。

自分1人だけで進む道じゃない。

運心(うんじん)、その場にいなくても、心で共に歩む人たちの想いがある。

自己中心的な修行ではなく、自己と内観する先に繋がる、自然と神仏への真心と、他者満足な祈りがある。

他者の幸せを願い想い祈る、なにものにも囚われない、愛が根本にある。

誰かのためだからこそ、届いて欲しいと祈る、強い祈りがある。

奥駈修行に託された全ての祈りが、成就されますように。

そして修行者の皆さまが、今年も全員無事に、怪我なく事故なく満行し、輝かしい笑顔で帰って来られますように。

……
参加者の皆さま、何卒体調を調えて、ご帰山・ご来山ください。心よりお待ち申し上げます✨

Photo by Banri
*昨年度の奥駈修行のワンシーン

写真では伝えきれない美しさ

昨日の大峯山頂からの夕陽ー

写真では伝えきれないほど、特に今日は雲と空と風と全部がきれいだった、と坊守が伝えて下さいました。

大峯山上 櫻本坊参籠所 坊守撮影 2023.06.18

「なぜ、するのか」

ある修行Daysの様子ー

止観瞑想・沐浴行・登拝(沈黙の行)・作務・五体投地礼行・護摩・シェアリング…と続きました。

修行「体験」で、その場で完結(自己満足)するのではなく、そこで得た気づきや学びを、日常・家庭・社会で実践して頂けるように、繋げるのが、私たち寺院の勤めでもあります。

修行とは、「何をするのか」「仕方・やり方」も大切ですが、それ以上に「なぜ、するのか」「する先に、どう繋げていきたいのか」「そこに、どのように心を投じるのか」…教えを生きることに、修行の最もコアなエッセンスがある。

そして、吉野という自然には、人の心を再生する大いなる力がある。美しい山々がある。忘れてはならない日本の精神性がある。

志高い皆さまとのご縁に感謝申し上げますと共に、皆さまの道開きと心願成就を、引き続き心よりお祈り致します✨

同じ道、同じ景色、でも、違う道

奥駈修行に向けて、準備がすすめられる、ここ数週間ー

毎年、同じ道、同じ景色の中を歩くことについて、住職に聞いたことがあります。

その時返ってきた最初の返答は、
「道は変わらず同じであっても、心の在り方によって、毎年、すべてが違う。」

同じ道、同じ景色、でも、毎年違って見えるー

15歳から奥駈修行を修する住職にとっても、48年間、1度として同じ風景はなかったこと。

その時の、人生の様々な体験、想う人達 想われる人達の存在、祈願を託す人達の存在…そして同行(どうぎょう)する修行者達の存在ー

自然は、「窓」か「鏡」かー

修験抖擻(とそう)最高の錬行たる修行といわれる、奥駈に息吹く、深い深い意味と、厳しさの真っ只中にある「優しさ」を、この時期は特に考えさせられますー

*写真は、毎日同じ場所にあり、毎日見る身近な風景ー でも毎日一瞬一瞬、異なる風景ー

山上の役行者像ー
山上のサンタクロース

大峯山上 櫻本坊参籠所 坊守撮影