先週に続き本日14日も、兵庫県 甲南大学にて 「死生学 〜日本の死生観〜」の講義をさせて頂きました。
今週は、もっと身近な「愛する人の死」とどう向き合い、どう「生と死」を捉えていくか-
本当に、人が死ぬときは、いつだと思いますか?
本当に、人を救うのは、誰だと思いますか?
人は多くを人から学びます。
愛も別れも、喜びも苦しみも。思いやりも憎しみも、生きる意味も死ぬ覚悟も。そしてそれはすべて「生きていてこそ」、実現・体験できることばかりです。
人が真に死ぬときは、いつだと思いますか?
本当の死とは、誰もその人のことを思い出さなくなるときです。話題にしなくなり、人の記憶から消えてしまうときです。
肉体は側にいなくても、心の中で一緒に生きているあの人のことを、いっぱい想うこと。話しかけ続けること。思い出を語り継いでいくこと。遺してくれた言葉や想いを、誰かに伝えていくこと。
自分が見ている目の前の風景を、あの人も一緒に見てくれている、そう信じること。
そこに幸せと感謝を感じることができれば、愛する人の死を経験し、悲しみや後悔を消すことはできなくても、今を肯定的に生きる選択は可能です。
人を真に救うのは、誰だと思いますか?
人を救うのも、それもまた、人の力と、人の言葉と、人の想い…人です。
皆さんが今日この時間の中で選択する行動が、発する言葉が、語り継ぐ思い出が、誰かに「ああ、今日まで、今日も、生きていてよかった」と思ってもらえることができれば…この世界はもっと優しい場所になる。
そんな願いを込めながら…毎年、学生さん達の真摯な眼差しと向き合えることに、感謝で一杯です。
Anju