GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

11月の行事予定ご案内

11月の行事予定ご案内

今年は、日本書紀編纂1300年記念という大切な節目にあたります。
編纂を命じられた天武天皇は、日本という国の軸と神話を正しく後世に伝え、「日本人」のアイデンティティ…つまり「日本の精神性」を未来栄光滅ばさせない、という願いをお持ちでした。

お后の持統天皇と共に、日の本の国の基(もとい)を築かれたその御功績は、今年は特に再注目されています

Anju

→11月8日(日) 13時
『天武天皇例大祭』
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/20201108.html
当山を建立された天武天皇は、櫻本坊の祈りの道の原点そのものであられます。御神前において、天武天皇のご遺徳をしのび感謝申し上げると同時に、日本の平和・災難除け 道開きの祈りが捧げられる、荘厳な神事です。

→11月7日(土)〜15日(日)
『天武天皇ご神像 特別ご開帳』
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/20201107-15.html

年にこの期間のみ、天武天皇ご神像を特別にご開帳させて頂きます。天武天皇との縁(えにし)、そして道開きの誓いを結び(むすひ)に、ぜひご来山ください。
*宝聚堂(寺宝を祀る宝物殿)も同時に特別ご開帳しております

→11月『お寺で癒(い)よう 〜五感を澄ます体験〜』プログラム実施日: 23日(月) 29日(日)
なお『秋季特別企画』と致しまして、11月9日(月)〜15日(日)は、朝座勤行・止観瞑想・天武天皇ご神像特別ご開帳内拝・宝聚堂拝観を、混み合わず、最も清らかな朝の時間帯に体験して頂けます。*ご予約が必要ですhttps://sakuramotobou.or.jp/event/2020/healing-in-temple2020fall.html

→11月28日(土) 11時
『月次祭 お護摩の日〜イヒカの火〜』

天武天皇御神徳報賽神事 ~天武天皇例大祭~ ご案内

天武天皇御神徳報賽神事 ~天武天皇例大祭~ ご案内

櫻本坊は、明治の神仏分離令・修験道廃止令の大きな傷跡を癒しながら、現在令和の御世も、復興の真っ只中にあります。

その復興の1柱が、天武天皇例大祭-

かつて本堂にお祀りされていた初代「天武天皇ご神像」・神事に関する寺伝書は全て行方不明に。時代の荒波がおさまる頃には、その被害は目も当てられないほど混沌としたものでした。

現在、本堂に御坐します「天武天皇ご神像」は、岡倉天心デッサンによる(東博所蔵)、フェノロサの調査記録に基づいて、平成の御代に復興させて頂き今に至ります。

何かを復興していくことには、すざましい根気と努力と、そして情熱…想いが必要です。

失われた多くの情報 資料 次第書がない状態から、様々な方面の専門家の方々・ご縁ある神社関係者の先生方にご教授して頂きながら、天武天皇例大祭は、今年で11年目を迎えることができました。

不易流行の精神で、1300年という 歴史の重みを継承していくことの責任と使命-

自身が生きていない100年先の未来へ、何を残し伝えていきたいかを考えて、「今」行動することは、無意味なことだと言う方もいます。

でも、唯一、伝わっていくのは、想いです。
現に、全てを失った状態から、想いは確実に結ばれ、今こうして天武天皇例大祭は、1歩また1歩と復興の道を歩ませて頂いております。

祈りの光柱は決して失われない-

櫻本坊に携わらせて頂ける中で、私たち全員の想いの原点は 間違いなく、天武天皇の「千年先を見据えて“今”できることを」「本質を途絶えさせない」精神を引き継いでいるのだと、確信しております

Anju

11月8日(日) 13:00
天武天皇御神徳報賽神事 (於 本堂)

*玉串拝礼がございますので、ご参列の方は、カジュアルすぎる軽装はご遠慮頂き、神前拝礼に不敬にならない平服でお越し下さい。

*感染症対策のため、マスク着用・手指消毒・検温・時差入堂等にご協力ください。

11月7日(土)〜15日(日)  8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳 (於 本堂)

*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。

足元にこそある大切な導き

足元にこそある大切な導き

当山では、小中高生を対象とした「体験学習」の受け入れも長年しております。
*日時・内容は要相談 要予約
写真は、止観瞑想を体験する前の、事前説明と心構えをお伝えしている様子と、本堂内での実際の体験中の様子です。

学生さん達には、単純に「瞑想」の意味や方法を説明するのではなく、「今を生きる」ことの大切さや、「ありがとう」の言葉の重み、「当たり前」のかけがえのなさ…何より「生命(いのち)」とは?を、内観することで肯定的に捉えていって頂けるように、「死生観」「心」のお話を交えてお伝えしています。

大人になるにつれ、社会で揉まれていくうちに、私たちは、初心・人を思いやる気持ち・当たり前への感謝を忘れがちです。
そんな現実に出会った時、自分の足元を見てほしい。

植物や小さな虫…産まれてから今この瞬間まで、ひとつも踏まずに、歩いてこれましたか?
今日何回「ありがとう」って言いましたか?
意識したこと、ありますか?
数えたこと、ありますか?

自分の足元を見ることの大切さ。
人間としての、大切なこと。
全てに宿る、生命の重みを知る。
自分が今…何の命の営みの上に立っているのかを知る。

どんなに辛い状況に陥っても、1日1回多く「ありがとう」を伝えれるような、心の在り方を目指す。

生きることを「受け身」とせず、「自発的」に意識して生きる。そして内にある肯定的な想いを、外に発信していく。そのための気付きを、感じて頂ける体験を目指しています。

学生さん達の、真摯な眼差しとキラキラした笑顔、そして素直で純粋なその想いと姿勢に毎回感謝の気持ちでいっぱいになると同時に、皆さんの未来が、幸せを真っ先に感じれる人生でありますように…と願ってやみません。

Anju
大講堂に毎日遊びに来てくれる青い鳥です。幸せの空間…幸せの連鎖!

「優しさ」は真の強さ

「優しさ」は真の強さ

“Having a soft heart in a cruel world is courage, not weakness.”

さまざまな修行や訓練、啓発が世の中には溢れていますが、その中でも「自分の心を強くしたい」という想いを、目標とされる方が多いかと思われます。

その強さを「不動心」と呼ぶこともあれば、「許し」と捉えることもあり、誰かを打ちのめすための力ではなく、己の弱さや限界を越えるための力として、私たち人類は「強さとは?」を永遠の課題としています。

祈りの現場で日々感じることは、人間として産まれ生きている限り、「何も感じない」強さを求めるために修行をしてしまうと、本来の目的とズレてしまうということ。

生きていると、色々なことと日々直面します。
それが日常の何気ないこと、もしくは生死に関わること、出来事の大小はあったとしても、その時、何をどう感じるかの先に必ずある、どう捉え動いていくか…が重要ではないでしょうか。

悲しみ 苦しみ 辛さ 嫉妬 無力感 悔しさ 矛盾に対する怒り…それ以上に満ちる喜び 嬉しさ 暖かさ 感動 愛おしさ 思いやり お互い様という許し。

感じることに素直であり、その感情とどう向き合い、他者へ恩返ししていけるだろうか。

他者の痛みを知り、その想いに寄り添う優しさや言霊は、何も感じない人間の“強さ”からは発信されません。

日本精神のひとつである「おもてなし」文化も、優しさという強さだと思います。

相手の全てを受け入れて、もてなす。
もてなされる側も、その気持ちを受け入れて、次は他者へペイフォワードを実践していく。

全ての感情を「感じること」、全ての人・物事を「受け入れること」は、難しい。難しいからこそ、それを受け取り…必要であれば手放す勇気が、強さとなります。

そして、正直者と真面目な者が損をする…そう言われる社会で、それでも優しさの心を向け続けることは、弱さではなく、真の強さ…と信じてやみません。
Anju

自分軸とは

自分軸とは

「自身の心が穏やかで調和であれば、渋谷のスクランブル交差点を歩きながらでも、瞑想はできる。場所や環境じゃないんだよ。全ては心しだい。」

2012年に来山くださった、インドのスワミー・ヨーガスワルーバーナンダ師の言葉が今も強烈に残っています。

禅・メディテーション・瞑想、様々な呼び方 方法 形がありますが、目的は共通しています。

自身の心の中を「内観(ないかん)」することに、全て繋がります。

明日ではなく「今」できる「今」しかない「今」を生きることに集中し、自分の生命を感じるための内観、それが瞑想。

瞑想の印象として「何も考えない」「何もしない」、ただ黙って静かにしていると「何か気づかせて貰える」…
受け身な行為と捉えられがちですが、実際は、五感を澄ますからこそ湧き出る本当の想い・感情・気持ち・思考があります。

その湧き出てくるものに、自発的に気づいていくことに、意味があります。そして、自身の人生で何を大切にし、誰を大切に想い、自分らしい生き方とは何か、その気づきを肯定的に捉えていきます

瞑想は、一般的に坐って行う形が知られていますが、立ちながら行う瞑想・お経や真言を唱えながら行う瞑想・歩きながら行う瞑想・光や音 香りを用いて行う瞑想、もっと身近でいうと、生活そのもの(掃除・料理・食事・挨拶・会話・仕事・学業)に至るまでがすべて瞑想です

自然と共生する私たち人間は、本来どう在るべきか、に気づくことで、社会・人間関係・人生において、人としていかに自他に思いやりと感謝を持って生きていけるか…日常生活へ活かしていく「心構え」へと結ぶ「修行」の一環。

櫻本坊では「止観瞑想」を体験して頂ける日を定期的に設けています。吉野山の豊かで厳しさののこる自然に身を置き、「今ある」時間に気付く。

今日という日を肯定的に捉えていけるように、日常のかけがえのない幸せに結ばれていくように…そっとご参拝の方の背中を押せる…そのような場でありたいと、日々願っております。

お寺で癒(い)よう秋期スケジュール↓
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/healing-in-temple2020fall.html

Anju