GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

結界のお話

結界のお話

私たち人間が、決して簡単に入ってはいけない、聖域という時空が存在します-

神仏のお像や御神体の御前には、必ず「結界」がはられています。
内陣(ないじん)と呼ばれる、神仏が御坐す(または依代)最も奥まった聖域で、お勤めがあり、護摩がたかれ、御供物や御神饌が奉られます。

神仏と人間(聖と俗)の間で境界線をキチンと定めるため、また人間を魔物から守るためにはられるのが「結界」
同様に、しめ縄や幕、鳥居や仁王門も「結界」

私たち人間も、自分の家や部屋、綺麗に保っている場所に、他人がズカズカと土足で急に入ってきたら、良い気がする人はいません。

それと同じ様に、清く荘厳な無塵の世界に、私たち人間が勝手に入ることは、神仏に対して失礼な行動です。

結界をこえる心構えや事前の清め・祓い…初心と「覚悟」を決して忘れてはいけない、と日々感じることです。
今一度、自分の前にはられる「結界」を見直してみる。
たった一筋の、時に目に見えない「結界」の存在。

人間同士もそう
お互いへのリスペクトや、親しき中にもある礼儀と距離感のバランス

礼儀、はどの「道」を歩む中でも、基本の「き」ではないでしょうか-

Anju

*内陣は、得度を受戒した者で、住職指導のもと特別に許可した者しか入れません

令和2年度: お護摩の日と書禅会 日程のご案内

<令和2年度: お護摩の日と書禅会 日程のご案内>
お護摩の日〜イヒカの火〜
櫻本坊は、万葉時代 大海人皇子を天武天皇即位(壬申の乱の勝利)へと導いた「吉兆の夢」のご縁で、天皇の勅命により建立されました。
以来1300年以上、絶えることなく続くご祈祷護摩を通して、世界の平和 祈願者の「道開き」を祈願しております。
お護摩に馴染みのない方でも、毎月、どなたでも参加して頂ける自己内外を見つめる「お護摩の日」を開放しております。
皆様の想いや願いが成就できるよう、共に心の向け方を学んでいきます。

*個別に祈祷護摩をご希望の方は別途ご予約下さい(要日時相談・志納金額別)
書禅会(しょぜんえ)
写経写仏 禅語や格言 季節の言葉を筆で書き、やまとごころを引き出しましょう。
また心の指針として頂ける徳性の言霊を選び出し、書き楽しみます。

日程: 今月は29日(土) です
3月28日(土) 5月23日(土) 6月27日(土) 7月25日(土) 9月26日(土) 10月24日(土) 11月28日(土) 12月26日(土)
*4月 8月はお休み

場所: 井光山五臺寺 櫻本坊

時間:
10:00〜「お護摩の日」受付
11:00〜 祈祷護摩法要
*引き続き書禅会にご参加の方は、昼食はご自身でご準備下さい
13:00〜16:00 「書禅会」

その他詳細は当山HPをご覧下さい↓
お護摩の日:
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/2020ogomanohi.html

書禅会:
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/2020shozene.html

「創造・維持・破壊」の循環 〜再生への道〜

「創造・維持・破壊」の循環 〜再生への道〜

本年は、日本書紀が編纂されてより1300年を迎えます。

国史である古事記・日本書紀の編纂を命じられた天武天皇。
また、万葉集編纂を発意された、后の持統天皇。

それは、日本という国の神々しい伝統を正しく後世に伝え、「日本人」の本筋・「日本の本質」を未来栄光滅ばさせないためでした。

しかし、千年という時の中で、滅びゆくもの、新しく生まれるもの、更新されるもの、付け加えられていくもの、省かれるもの、人間の都合で操作されるもの…変化はつきものです。

その変化の中でも、本質的なところでは、決して変わることのない、想いや願いがある。

その原点を守り継承することの責任の重さと、現代という激動の時代を生き抜いていくために、志を高く持ち続ける心の在り方が、常に問われているようです。


“伝統を継承 存続させるためには、変えていかないと守れない”

時代はもう令和です。

「変わらないもの」と「変わっていくもの」…
「変えていかなければならないもの」と「変えてはいけないもの」のために、10年後 100年後 1000年後を見据えて、今、出来ることを…
今、与えられた使命で…

櫻本坊は進化し続けます。

Anju
写真は手水社の龍神から流れる水
水は氷へと変化し、いずれまた溶けていく。
性質成分を変えずに、形を変えながら…循環していく

櫻本坊 インスタグラム公式アカウントを始めました

櫻本坊 インスタグラム公式アカウントを始めました

幅広い世代の方々に、神の道 仏の教え 修験道の心…「日本の清めと祈り」の真髄を、爽やかにお伝えしていける場でありたいです

そして、祈りは聖域の中にのみ在るのではなく、私たちの日常の「当たり前」「何気ない」事の中に沢山満ち溢れていること。

日々の中の「祈り」と「想い」が、あなた自身と他の誰かを、想いやる力へと繋がっていきますように…
「想いは必ず力になる」
「念ずれば絶対花開く」
…そんな風に、皆様の背中を押していけるページを築いていきたいと思います

宜しくお願い致します

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何をもって導いていくか 〜怒りの根源にあるもの〜

何をもって導いていくか 〜怒りの根源にあるもの〜

当山 本堂右手に御坐します 頭上の蓮華と後炎の火の鳥が柱軸である: 蓮蔵院不動明王

明治以降 長年失われていた、右手に持たれる持仏 利剣、左手の羂索(けんさく)は、平成の御代に 復興させて頂きました。
羂索で魔悪災 煩悩を絡めとり、剣でそれらを断ち切る。そして火炎で内外の悪徳 罪 悩みを焼き祓い、全てを浄化し、祈りの成就に勤めて下さるのが、お不動様。
こちらのお不動様は、浄化祓いのお力が強く、我々のすぐ側に寄り添い、風の如く快活に疾く願いを聞き入れて下さると伝わります。

…さて「イノチあるもの全てのために 怒り守り導く」不動明王の、その「怒り」とは-

私たち人間にとって「怒り」は、苦しく 動揺するやっかいな感情です。
怒りは身体の細胞 栄養分、周りの環境を破壊するほどの威力があります。

醜く憎い怒りが真先に思い浮かびますが、時に、相手を想うがゆえの怒りもあります。

波風をたてず、変化を避け、色 個性 意見を出さず、出る杭にならなければ、穏便に全てが運ぶのかもしれない。

しかし、誰もが言える「言いやすい」「合わせやすい」ことよりも、言いづらい「言いにくい」ことにこそ、相手を想う強さと優しさが込められていることが多い。

そこに発生する「怒り」の言霊と心、その「怒り」は、お互いの魂と人間力を向上させる、尊い想いやりと祈り。

「頑なに動かない 何も感じない 動揺しないから不動である」というよりも、どんな環境や感情の変化に対しても、しなやかに変化し柔軟に「対応しよう」「対応できる」器の大きさと心構えが、不動心。

…自分のために、怒り叱ってくれる人がいることは、幸せです

Anju