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やまと ことのは つづり

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内 〜天武天皇ヒストリー⑦〜

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内
〜天武天皇ヒストリー⑦

当山の正式名称は「井光山五臺寺 (いこうざん ごだいじ) 櫻本坊」-
神武天皇の時代「井光人(いひかびと)」という、光る井戸から現れた伝説を持つ、吉野の祖がいました。
その嫡流が、当山第一世 角乗(かくじょう)上人。

修験道の開祖 役行者の高弟で、大海人皇子に夢判断をし、天武天皇即位後 天皇の命により櫻本坊初代住職となられました。
初代本尊「天武天皇お念持佛 釈迦如来坐像」に奉仕し、持統天皇との信頼関係も厚かった角乗。

役行者が諸国を巡錫される間は、根本道場である吉野大峯を護られ 人々を導き 弟子の育成など、法灯の継承に尽力されました。

天武天皇・角乗・そして役行者…同じ時代を生きた3人は、満開の夢見の桜を見上げ、何を語らいあっていたのでしょうか
⑦天武天皇と修験道の心-

天武天皇自ら、国を治める軸として 神道 仏教に精通され、また陰陽道の礎を本格的に築かれた功績もあられます。

「神の道」と「仏の教え」が、互いを否定せず 互いに融合し、多様性そのものである 祈りの在り方。

「畏れ多い」と天を仰ぐ先の存在を知り、この地上で「人間としてどう生きるか」「心の小宇宙」を探求している私たち人間。

天皇の「勅願寺」とは、国家鎮護 国家安泰 国民の平安 日本の平和を祈願する所。
「修験道」の最も素朴な根本の心は、天下泰平 万民安楽 世界平和を、大自然の中で神仏に祈ること。

根元にある想い 祈りは同じ-

役行者の背中を追いかけ、その後ろ姿に続く人の列は 現代でも後を絶ちません。

きっと、天武天皇も、役行者の後ろ姿、そして同じ心構えで祈る角乗の背中を信じ、その想いを託したのだと思います

現代 住職は六十七世…櫻本坊という心が 何世代先も、世界の平和と 生きとし生きる全ての生命の幸せと共にあらんことを…願ってやみません

Anju


11月10日(日) 13:00
天武天皇御神徳報賽神事 (於 本堂)
*玉串拝礼がございますので、ご参列の方は平服でお越し下さい。
(カジュアルすぎる軽装はご遠慮頂き、神前拝礼に不敬にならない服装)

11月9日(土)〜17日(日) 8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳 (於 本堂)
*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。

むすぶ

来たる10日(日)に斎行させて頂く、天武天皇御神徳報賽神事へ向けて、当山では準備が着々と進められております

玉串に付ける紙垂(しで)作りや、それを榊に結ぶための紙縒(こより)通しなど、今日は「折る」「むすぶ」作業をしております
神仏と参列者 祈願者を「結ぶ」中取持の役割が、寺院  神社に携わらせて頂く奉仕者の勤め。
皆様の想い 願いが「結ばれます」ように…祭礼の間だけでなく、表に出ない準備の中にも込められる、日々絶えることなく捧げられる「祈り」「真心」の積み重ね。

お祭りには、祈りが形として凝縮されています。
人々の想い 喜び 真心 胸の内…そして何よりも 神仏への「おそれ」と「感謝」-

「かけまくもかしこき」「かしこみ かしこみ」「なむ」「おん」
本来 言葉に出すのも畏れおおい、尊い全ての神仏へ向けられる、私たち人間の祈りと感謝

「人間ですので、至らぬところばかりですが、慎み怠ることなく、精一杯努めさせて頂きます」
お祭りを斎行させて頂く前に、必ず 神仏へご挨拶申し上げることです。
私たちは「人間」であるということ、そして「生かされている」「させて頂ける」立場であることを忘れてはいけない。

何事にも「謙虚さ」が基盤には必ずあります。

令和元年という特別な今秋
偶然にも 天皇陛下 祝賀御列の儀(パレード)と同日に行われる神事

今年も 御扉をご開帳させて頂ける 畏れおおさ 喜び 感謝で、胸がいっぱいです

Anju

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内 〜天武天皇ヒストリー⑥〜

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内
〜天武天皇ヒストリー⑥

“Behind every great man is a great woman”
偉大な成功者の陰に、偉大な女性あり−

天武天皇の皇后であり戦友である、持統天皇。
天武天皇の死後、夫の想い・遺志を引き継ぎ、第41代目 天皇として即位。

「律令国家の確立」「 飛鳥浄御原令の完成」「 日本初の本格的な都 藤原京の造営」「伊勢神宮 第1回目の遷宮斎行」など、夫婦共に進めてこられた事業を実現、完成させられました。また天皇として史上初めて、火葬に付されました。

天武・持統朝と呼ばれるこの時代は、日本の統治構成 宗教 歴史 文化の原型が固められた、非常に重要な時代とされています。
⑥持統天皇と吉野-

吉野は、天武・持統天皇にとって、特別な地
戦友として共に戦った 壬申の乱の出発地点であり、夫婦の愛の地でもあります。

持統天皇は、31度吉野に行幸されました。それも、国を動かす重要な決断の時、または何かが起こった時に来られています。
吉野は夫を偲ぶ地であるだけでなく、心を和らげる力、そして再生に向けての強い力、国を動かす原動力を得れる…特別な原点の地であったことは確かです。

また、櫻本坊は持統天皇にとっても勅願所
天武天皇へ夢診断をした 櫻本坊第1世 角乗住職との信頼関係や、亡き夫の念持佛・釈迦如来坐像(重文・毎年4月特別ご開帳)への祈りがありました。

1350年前、この吉野で 奈良で…同じ目標に向かって肩を並べ生きた、1組の夫婦が夢見た「日本」の国造り。
その想いと祈りを、1人でも多くの方に知って頂きたいと願っております

⑦へつづく
Anju


11月10日(日) 13:00
天武天皇御神徳報賽神事 (於 本堂)
*玉串拝礼がございますので、ご参列の方は平服でお越し下さい。
(カジュアルすぎる軽装はご遠慮頂き、神前拝礼に不敬にならない服装)

11月9日(土)〜17日(日) 8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳 (於 本堂)
*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。

写経 写仏のご案内

<<写経 写仏のご案内>>
(大講堂での写経写仏 -団体様の場合)

当山では、写経 写仏をして頂けます
筆と墨という「舟」を使って、祈りを神仏へと届ける、清らかな時間

書禅(しょぜん): 「書」はメディテーションです

お堂で心を鎮め、塗香や聖油で心身を清めてから、無心になる時間を意識して持つ。

しかし「無心」「沈黙」とは「何も考えない」「何もしない」ということではありません。
意識して、良い想いを発信し、肯定的な考えを生み出す時間。自分はいま自身にも他者にも思いやりを持てているか、を振り返る時間。

沈黙は、雄弁に勝る時があります

後ろ姿に、その人の全てが醸し出されるように、文字にも、その人の生き方 考え方 心の向け方が現れます。
一文字 一文字に心を込める。
集中することで、見えてくる自分の心と気づきがあります

その「祈りの気づき」を「体験」して頂ける空間と時間を、当山はご用意しております。
(社員研修も承っております -要相談)


志納金: 2,500円 (拝観料・祈祷料含む)
所要時間: およそ 1時間〜1時間半

*お納めされた写経写仏は、本堂にて永代祈願させて頂きます
*お道具は全てございます
*写仏の神仏画は選んで頂けます
*お1人様〜団体25名様までお受け可能です
*お寺の法要 神事 行事と重なりお受け出来ない場合、担当教師が不在の場合がございますので、事前のご予約をお勧め致します
*社員研修や団体様の場合は、準備の都合上、事前予約を必ずお願い致します
*椅子のお部屋もございます
(書禅会教室 −椅子のお部屋です)
毎月開催されています「書禅会(しょぜんえ)」へのご参加もお待ち申し上げます
当山への参拝、また写経写仏が初めての方は、こちらの日程でのご参加をお勧めします

歴史の重みを背負う〜令和での更なる復興に向けて〜

歴史の重みを背負いながら〜令和での更なる復興に向けて〜

現在 本堂に御坐します「天武天皇ご神像」は、岡倉天心デッサンによる(東博所蔵)、フェノロサの調査記録に基づいて、平成の御代に復興させて頂き今に至ります。

櫻本坊は、明治の廃仏毀釈のさいに大変大きな被害を受け、廃寺寸前にまで追い込まれました。
神仏習合 法灯の歴史の中で、神と仏を切り離し区別するということは、不可能なことでした。

この時、かつてお祀りされていた初代「天武天皇ご神像」は行方不明に。
他にも古文書・ご神体・ご仏像の一部等が盗難にあい、時代の荒波がおさまる頃には、同じ場所(現在 吉野山中町)で復興が叶わず…
「夢見の桜」子孫の苗木を含め、寺院を今の場所(上町)に移し、様々な苦難をクリアしながら、令和の現代も、復興の真っ最中にあります。
また、明治以前 吉野山には100を超える社寺が存在していましたが、今では1/10程しか現存していません。
櫻本坊では、廃寺になった寺院のご本尊さまや、廃仏毀釈を逃れるために 神社から運び込まれたご神体など、今でもお預かり・大切にお祀りさせて頂いております。

その時代 時代、激動の流れの中で、法灯と祈りの道を、命がけで守り、今に繋げて下さった歴代 住職達 そして携わる人達の想い。

不易流行: 社会情勢に合わせながら、でも流されずに、基盤や本質 伝統を継承していくこと。
1350年という 歴史の重み。
未来に残すものを見据えての「繋げ方」の模索は、常に行われてきたと思うのです。

そしてどの時代も共通していることは「続けていくこと」「繋げていくこと」「積み重ねていくこと」だと思うのです。

「目で見る」範囲で失ったものは多くとも、祈りの柱は決して光を失いません。

櫻本坊に携わらせて頂ける中で、私たち全員の想いの原点は 間違いなく、天武天皇の「千年先を見据えて“今”できることを」「本質を途絶えさせない」精神を引き継いでいるのだと、確信しております

Anju