GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

未来のために「今」どう生きるか -大峯山寺 慶讃法要-

未来のために「今」どう生きるか-

季節は葉月
本日13時より、大峯山上 大峯山寺 本堂にて、慶讃法要を厳修させて頂きました。
ただいま大峯山寺本堂では、「奉祝 天皇陛下御即位記念」と致しまして、本尊 秘仏 蔵王権現尊像が、9/23までご開帳されています。
大峯山を護持する5寺院が、5月〜9月の各月 法要をさせて頂いており、8月は櫻本坊の担当です。
平日にも関わらず、出仕・参列下さいました関係者・行者・ご信徒の皆さまに深く感謝申し上げます。

あらためて「大峯山」という御神体について考えさせられる、令和の「始まり・原点の年」となりました。

大峯山あってこそ、御神体を護らせて頂いているからこそ、里の寺院の「祈りの光の柱・糸」は、太く揺るぎないものとして神仏と繋がっているということ。

1350年もの間、激動の時代もあった中で、大峯山を必死に守り抜き今に繋げて下さった、数え切れない方々の祈りと想いに感謝を申し上げるとともに、微力ではありますが、私たちも全力を尽くしていきたいと、胸にこみ上げる想いがあります。

「今だけ」良ければイイ、ではなく、100年後 1000年後の未来のために、「今できる」ことを常に考え実行し、未来で携わる方達の笑顔と誇りのためにも、引き続き謹んでご奉仕させて頂く所存です

皆さま、どうぞ引き続きご支援賜りますよう、お願い申し上げます。

Anju

奥駈修行 満行 -想いに「こたえていく」こと-

奥駈修行 満行
“Leave footprints of love and kindness wherever you go”
-自分が訪れた場所が、自分と出会ってくれた人達の今日という日が、愛と優しさに満ちていますように。

本日、無事 奥駈修行を満行させて頂きました。
参加された修行者の皆様、満行おめでとうございます。
さまざまな形で共に同行下さった皆様、心より感謝申し上げます。


多くの聖なる道が存在する中で「この道を歩みたい!」と心が動かされる道。
なぜ人は、役行者の足跡を辿り、山に入るのか。
自然を仰ぎ、目に見えながらも「観えない」自然に手を合わせるのか。
その道が、全ての生命と世界へ向ける、思いやりに溢れているからではないでしょうか。
最初は「想い」があった。
そして、想いによって、歩むことで、道は開かれた。
役行者の、始まりの原点の想いを思った時、その道を今歩ませて頂いてる私たちは、どうあるべきかを問われているかのようです。

-想いに「こたえていく」こと-

自分の想いが、周りの環境をつくります。

真っ直ぐで良い気持ちを、人に与えていけるよう、益々 日々精進怠らず 前進していきたい!
良い想いが、周りを社会を世界を変えていける力となります。
その良い想いが1人でも多い方が、光は大きくなる。
自分たちが歩んだ後の道も、役行者の道筋のように、花々が清らかに咲きほこり、周りを明るく心地よく照らすものでありますように。
Anju

*写真は、毎年プロのカメラマンの方が撮って下さっている、今までの奥駈の様子です。運心(うんじん;心で歩む)をこういった形でも可能にして下さり、ありがとうございます。
お疲れ様でした!

奥駈修行 -光の玉の中に入っていく-

奥駈修行 -光の玉の中に入っていく-
(本堂前勤行 「行ってきます」ご報告)

本日午前3:30、本堂前で勤行、肌を優しく包んでくれる霧の中、大峰山上へ出発

昨夕の急な豪雨、しかし夜には美しい満月が空と心を明るくしてくれました
今朝出発直前の突然の激しい雨、皆さんが外に出る頃にはピタリと止み、逆に心地よい湿気と涼しさが
(うっすら霧が包む山門の向こう側。境界線…山々の神仏が修行者を待っているかのよう)

当山では法要神事・行事前には、雨が一時的に降ることがほとんどです。
まさに浄化清めの天の儀式✨祝福のシャワー!
(行ってらっしゃい!)

年に一度の代表的な修行。
皆さんが輝かしい笑顔で帰って来られることを願い、修行者の「山の行」、同行(どうぎょう)するサポート隊の「里の行」が、今夏も始まりました
(毎夏、皆さんの背中をお見送りしながら願うことはただ一つ。全員無事に笑顔で帰って来られますように!)

Anju

奥駈修行 -奥がけ 命がけ 心がけ-

奥駈修行 -奥がけ 命がけ 心がけ-

今日は満月ですね
さて、そんな自然のエネルギーが最高潮に満ちている本日より、奥駈修行が始まります。

今年は新メンバーが多く、38名の善男子が、5日間 山に修行に入ります。
役行者が「生きとし生きる全ての生命の幸せ」を祈り歩いた大峰の山々を、1350年以上たった現代でも、人は祈り歩く。
山々自体が御神体であり、神仏の祈りの道を、直に歩かせて頂く。

先程 参加者の皆様と共に、全員が無事、それぞれの「満行」をできるように、本堂において「祓い」と「道中安全祈願」のお護摩をたかせて頂き、結団式を致しました。
山の中では何が起こるか予測不能です。
修行中の予期しない怪我や事故だけでなく、山には、人間の弱さや欲に入ろうとする「魔」も潜んでいます。

よっぽどの覚悟がないと、その魔に巣食われてしまう。
時に、目に観えないモノと闘うことも、修行の大きな課題です。

そして、それは防ぐことができます。
なぜなら、全ては「心がけ」しだいだから。

今できる100%で「生きる行いを修める」という謙虚さと初心を忘れない。
神仏は言うまでもなく、関わる全ての人への敬意と感謝を忘れない。
心を向ける方向を決して間違えない。

結局全てはそこに「真心」があるかないか。

多くの人の祈りと想いを背負い、他者と社会の幸せを誰よりも願い、一歩一歩 大地を踏みしめ歩き続ける。

「自分のため」だけなら全うできない行を可能にする「心がけ」。

櫻本坊の神仏も、皆さんと共に歩み守って下さる5日間です

すべてに感謝し、共に闘いながら…途切れることのない祈りの道が、永久に光に照らされていることを願って…

Anju

大講堂秘話 -役行者母公物語-

役行者母公が教えてくれる「優しさと厳しさ」
大地に力強く足がついている、または清らかな大滝が全てを浄化してくれる、そのような勢いを感じさせてくれる本堂。
そして、温泉に浸かっているような心地よさと、心がジワンと温かくなる雰囲気で私たちを包んでくれる大講堂。

年間を通して、内拝される参拝者の皆さまに始まり、メディテーションルーム、様々な専門分野で活躍される先生方のワークショップや講義、地域のイベントも含め、大講堂には多くの方がそれぞれの目的で出入りされます。
特に夏は、修行者の方々が主に入られます。
(大講堂は只今「修行者」の方が多く入られる場となっております。役行者母公に、温かく そして愛のムチで厳しく見守られている空間です。この大講堂を見守り、入られる全ての人の笑顔を見届けて下さっているのは、役行者の母公、そして聖観世音菩薩✨)

役行者母公のご利益は「すべての母への感謝・家内安全」、聖観世音菩薩のお役目は「女性加護・修行者の家族の加護」。

数年前までは、当山の影におられた神仏二柱でしたが、衆生(全てのイノチ)を尊ぶ教えと「原点」「初心」を忘れないという心得が、更に皆様に寄り添うようにと、大講堂にあらためて鎮座して頂きました。

役行者母公の御前に座っていると、誰もが、母の「無条件」の愛というものを、どこか懐かしく観じられる方が多いのではないでしょうか。

どの時代も母は強しで、日陰で支える大いなる存在の偉大さと、謙虚さ。

特にこの大峰山開山期間に今一度、「母なる」自然のど真ん中で、生きる行いを修めさせて頂ける幸せと、側で一緒に生き支えてくれる大切な人達への感謝を想う。

他者へ向ける「無条件の愛」と「思いやり」とは−

時に、真意や誠意を相手に伝えるのは、難しいことです。それが相手の1番を想ってのことであっても、「本当のこと」「聞きたくないこと」を言うことは、嫌われ役を買って出ること。

伝わらない可能性も覚悟して、時に、言う方も言われる方も、嫌な気分になってしまう「心意」を、それでも相手に伝える勇気は、「母」という存在が教えてくれるのではないでしょうか。叱ってくれる存在の有難さ。

何かを変えていかなければならないトキ、言わない方が楽なことでも、誰かが言わないと何も変わらないトキ。

揺るぎない信念を持っているからこそ、関わる全ての方々が絶対に良い方向に導かれていく、と信じているからこそ、当山は、役行者母公のお姿から教えられるように、厳しさと優しさの愛と思いやりを、発信し続ける場所でありたい…そう願ってやみません

Anju