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やまと ことのは つづり

いのちはまわる 〜甲南大学「死生学」講義①〜

いのちはまわる 〜1日として同じ日はない〜

本日19日は、兵庫県 甲南大学での講義
去年より、非常勤講師として「死生学」の講義 「日本の死生観」のパートを、担当させて頂いております。
様々な分野の教授 研究者 博士の方々が、それぞれの観点から捉える「死生観」-

20歳になるかならないかの「現代を生きる」学生さん達にお伝えしたい、日本の神仏習合の精神性を盛り込みながら、「生きること」「死ぬこと」「命の捉え方」についてお話する90分。

祈りと命は「一如」

どこまでも透明な 星空を見上げた時の胸の高鳴り
花の美しさ 風の色 太陽の暖かさ 雲の動きとカタチ 雨の音 土のにおい 水の流れ…そんな何気ない自然のイノチの動き

偉大な自然との共存の中に、私たちの生命は満ち、絶えず祈られ生かされている私たちの「いのち」-
まさにサークルオブライフの極意。

「祈り」は「宗教」という枠にだけ当てはまるものではないと考えています。

私たちの生命は、どこから来てどこへ向かうのか。
「今」あなたの生命は、どこに在るのか。

極めて現実的で「実践的」である修験道の世界観から、「死」をメインにお伝えするのではなく、「生」を前向きに見つめ直して頂き、「明日からではなく、今から出来ること」を考えるきっかけになれば幸いです

講義は来週も続きます

Anju

感謝と喜び 穏やかさに包まれて

感謝と喜び 穏やかさに包まれて

昨日17日、天武天皇ご神像 御扉を閉じさせて頂きました。
ご開扉中にご参拝され ご縁をお結び頂きました皆様、また連日ご出仕下さいました行者の皆様に深く、深く感謝申し上げます。

御扉を閉じさせて頂く祭礼のさい、感謝の気持ちと同時に溢れる、「来年も滞りなくご開扉できますように」という未来への願い-

ご奉仕させて頂ける者 全員が、来年もまた健康で笑顔で、御神像にお会いできますように、毎年想うことです
命あるからこそ…愛おしい命に感謝がこみ上げる瞬間でもあります。

祭礼 法要 神事は、同じことの繰り返し。
何年 何十年 何百年 何千年と繰り返し捧げられてきた、祈りのエッセンス。

そしてそれは、日々のひたむきな「つとめ」の積み重ねによって、実現できるものだと実感します。

神仏と築き上げられてきた/いく「確たる信頼関係」「光の柱の太さ」「糸の絆」

櫻本坊から発信される祈りと想いが、1人でも多くの方の心を、日月星のごとく照らしていけますよう…櫻本坊自身の光を、さらに磨いていく所存です

Anju
*写真は大講堂からの紅葉の景色です

道開き 前途ひかりに満ちていく

道開き 前途ひかりに満ちていく

櫻本坊では、僧侶と神職が共に奉職し、共に神仏へご奉仕をさせて頂いております。

天武天皇のご神像-
神職の正装の上に、僧侶の袈裟をかけ、右手には神道の笏(しゃく)、左手には仏教の数珠を持たれ、神仏習合のシンボルのお姿をされています。

日々のご奉仕の中で、天武天皇ご神前におきまして、神職によるお祓いのあと 祝詞が奏上され、住職によりお経が必ず唱えられます。そして同時に捧げられる 錫杖 法螺貝や五十鈴の音霊

祈りの形はさまざま
しかし、手を合わせ 心が向かう方向、心の向け方に違いはありません

昨日〜本日明朝にかけて、今上天皇により斎行されました「大嘗祭」
…1300年前、天武天皇がお定めになり、以来 古来と未来を結ぶ重要な秘儀-

祈りの形はさまざま
でも、根底にある「世界平和」「生きとし生きる全ての生命の幸福」を想う想いは同じ

今日という日も、ひかり満ち、道が照らされていくことを願って…

Anju
*写真は、天武天皇祭での御神酒盃戴の様子


11月9日(土)〜17日(日) 8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳中 (於 本堂)
*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。

宙高い秋晴れのもとで

宙高い 秋晴れのもとで
満月全国で「大嘗祭前二日大祓」が臨時で執り行われます全土が祓われ、清めの祈りで満ちる1日ですね

11月10日 天武天皇御神徳報賽神事を 滞りなく斎行させて頂きました。
ご参列頂きました崇敬者の皆様、出仕頂きました行者の皆様に 深く感謝申し上げます。
私語が慎まれ、ピンと張った静寂の中、衣擦れの音のみが響く祭礼。

お祭りの中で最も大切な心得は、「感謝」に始まり「感謝」で終わるということ。

みな心を一つにして、天武天皇へ捧げられる「道開き」への感謝と、日本の平和への祈り。

「令和」という新しい御代。
まさに「原点」に帰する時代だと思ってやみません。

天武天皇が 千年先の現代に繋げて下さった想い-
神の道 仏の教えをはじめ、それぞれの「祈りの道」を否定せず、それぞれの良い導きを融合し、尊重する「心の向け方」。

私たち「人」も同じこと
この地上で、同じイノチ(生命)のルート(根)を持ち、共に生きている。
お互いを否定せず、謙虚に 敬意をもって、まずは自分 家族 身近なところから周りを幸せに。
その幸せが 地域 社会 日本へと広がり、そして世界を平和へと先導していける。
まさに -Beautiful Harmony- の祈りの精神性を持った民族が、私たち日本人であると、再確認いたしました。

その「本質」を未来永劫 途絶えさせないために、日本という国の基盤を築かれた天武天皇

表舞台にあまり出る天皇ではないかと思われますが、咲き香ふ花の生命の、見えない根っこの部分を確たるものとされた、影の徳を積まれた天皇。
どんな嵐がきて花がなぎ倒されても、根っこは決してブレることはありません。

櫻本坊も、根っこという軸をぶらさず、この開かれた祈りの道を、清らかな花々で満開にしていくイメージで… 心を込めて歩み続ける所存です

Anju


11月9日(土)〜17日(日) 8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳中 (於 本堂)
*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内 〜天武天皇ヒストリー⑦〜

天武天皇御神徳報賽神事 ご案内
〜天武天皇ヒストリー⑦

当山の正式名称は「井光山五臺寺 (いこうざん ごだいじ) 櫻本坊」-
神武天皇の時代「井光人(いひかびと)」という、光る井戸から現れた伝説を持つ、吉野の祖がいました。
その嫡流が、当山第一世 角乗(かくじょう)上人。

修験道の開祖 役行者の高弟で、大海人皇子に夢判断をし、天武天皇即位後 天皇の命により櫻本坊初代住職となられました。
初代本尊「天武天皇お念持佛 釈迦如来坐像」に奉仕し、持統天皇との信頼関係も厚かった角乗。

役行者が諸国を巡錫される間は、根本道場である吉野大峯を護られ 人々を導き 弟子の育成など、法灯の継承に尽力されました。

天武天皇・角乗・そして役行者…同じ時代を生きた3人は、満開の夢見の桜を見上げ、何を語らいあっていたのでしょうか
⑦天武天皇と修験道の心-

天武天皇自ら、国を治める軸として 神道 仏教に精通され、また陰陽道の礎を本格的に築かれた功績もあられます。

「神の道」と「仏の教え」が、互いを否定せず 互いに融合し、多様性そのものである 祈りの在り方。

「畏れ多い」と天を仰ぐ先の存在を知り、この地上で「人間としてどう生きるか」「心の小宇宙」を探求している私たち人間。

天皇の「勅願寺」とは、国家鎮護 国家安泰 国民の平安 日本の平和を祈願する所。
「修験道」の最も素朴な根本の心は、天下泰平 万民安楽 世界平和を、大自然の中で神仏に祈ること。

根元にある想い 祈りは同じ-

役行者の背中を追いかけ、その後ろ姿に続く人の列は 現代でも後を絶ちません。

きっと、天武天皇も、役行者の後ろ姿、そして同じ心構えで祈る角乗の背中を信じ、その想いを託したのだと思います

現代 住職は六十七世…櫻本坊という心が 何世代先も、世界の平和と 生きとし生きる全ての生命の幸せと共にあらんことを…願ってやみません

Anju


11月10日(日) 13:00
天武天皇御神徳報賽神事 (於 本堂)
*玉串拝礼がございますので、ご参列の方は平服でお越し下さい。
(カジュアルすぎる軽装はご遠慮頂き、神前拝礼に不敬にならない服装)

11月9日(土)〜17日(日) 8:30〜16:30
天武天皇ご神像 特別ご開帳 (於 本堂)
*宝聚堂も同時に開扉しております。天武天皇御神霊 地蔵菩薩(重文・旧国宝)等 拝観して頂けます。但し、天武天皇お念持仏 釈迦如来坐像(重文・初代本尊)は4月のみのご開帳です。