GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

自らの身を呈して導いていく

今月のイヒカ塾(12/21) 「天狗伝説」をご受講下さった皆さま、ありがとうございました✨

神話や言い伝え・伝説を含め、長い人類の歴史の中で、先人たちが伝えたい様々な教えは、書物・絵・お像などの姿形として作り残すことで、継承されてきました。

同時に、神仏も、人間によって与えられた姿形をもって、常に教えを伝えてくれています。

天狗自身、時代のニーズによって自在に変容しながら、山の神・妖怪や魔物と、存在意義を自由に表現されてきましたが、根本は、人々のより心豊かな人生の実現のため、そのお力を磨く修行者に変わりありません。

「天狗になる」ということわざにもあるように、修行の意味と試練を、誰よりも深く知っている天狗だからこそ、人間として忘れてはいけない戒めを、自らが「高く長い鼻」という、悪い例の滑稽な姿を見せ、見るものに考えさせ、自制させる慈悲を与える。

自らの身を呈して、導いていく。
神仏の姿形に宿る、計り知れない優しさに今一度気づいていく。

私たち人間は、大変弱い生き物です。
だからこそ…導いてくれる存在の偉大さを、噛みしめたいものです。

イヒカ塾では、日常で実践していける学びを、様々な観点から楽しくお伝えしています✨

来年も、皆さまのご受講を心よりお待ち申し上げます。

<<令和7年度 イヒカ塾日程>>
3/15(土)・5/17(土)・8/9(土)・10/18(土)・12/20(土)

繋がる想いと願い

月例「お護摩の日」(本日午前11時)の炎🔥

本堂にてご参拝の方々が書かれました護摩木・全国各地よりお申し込み下さっている郵送護摩木を、毎月のお護摩でお焚き上げしています🔥

本年も、護摩木を通して、櫻本坊に願いを託して頂き、尊いご縁に感謝申し上げます。

護摩の日だけでなく、毎日の勤行や、お寺という日常のあらゆる中で、いつも、皆さまの心が共にあること、そして祈り・想いが繋がっていることを感じます。

来年も、1人でも多くの方の「喜びを倍に、悲しみや苦しみを半分に」していけるお手伝いができますよう、私たちも精進し続けます✨

護摩木お申し込み専用ページは、HP「ひらけごま」にございます✨
https://sakuramotobou.or.jp/event/contact/hirakegoma-2023.html

計り知れない恵み

得度受戒会での精進薬膳料理ー

生きる力を与え、思考・人相・性格・生き方を左右する、薬となる食の大切さ。

季節ごとの自然の生命を頂くことへの感謝。
そして、目の前の食事を頂くまでの、多くの方々のあたたかい想いと手間に、感謝する心を忘れないように。

*修行者の心身の健康と浄化を願い、化学調味料は一切使わず、オーガニック野菜使用・調味料は無添加、手作りで整えております。

地中地中へ伸びるものこそ

今夏8/31〜9/1に予定しておりました得度受戒会は、同週に発生していた台風の影響で延期となっていました。

あれから3ヶ月ー
受ける側も、受け入れる側も、心構えを更に育てる貴重な時間を頂き、初霜雪降る今週末、1泊2日で無事に執り行われています。

手を伸ばせば届く「尊い教え」は、日常生活から切り離した、もしくは、かけ離れたものではなく、目の前の日常生活・社会生活・人生そのものが全て鏡となります。

「修行」「修行じゃない」ではなく、生き方なんだ、ということに、今一度気づく。

なんらかのゴールに至る手段でもなく、何回やって結果がでる、ものでもなく…「尊い教え」を知識で完結せず、知恵として実現していくための、生き方の糧とする。

この心構えと選択の積み重ねが、日常の尊い「祈り」であり、人への「思いやり」と結ばれていくと信じています。

……
心新たに生まれ変わり、神仏へ、十の約束(十善戒)を守る誓いをたてる、大変重く荘厳な儀式「得度」。

神仏の「道 」と「教え」に出会い、その世界へと「渡り」歩ませて頂く「機会を得る」、そして人の模範となる心構えと言動への心がけを誓うことが「得度」。

じかんはいのち

12月5日、兵庫県 甲南大学にて 「死生学 〜日本の死生観②〜」の講義をさせて頂きました。

受講されている生徒さん達の多くが、将来、臨床心理士・公認心理師・心理カウンセラーを目指しておられます。

身近な家族や友人・パートナーという、大切な人の「死」を経験することは、遅かれ早かれ、平等に全員に訪れること。
多感な年代の皆さんに、その事実をお伝えすることは、毎年悩ましい想いもあります。

しかし、学生さん達からのフィードバックには、毎回とても肯定的で前向きな文章が裏のページにまで溢れていて、私たちの方が、いつも生徒さん達に「救われている」ような感覚になります。

大切な人を失くす悲しみや苦しみは、治るものではありません。現実の、厳しさと無常さ。
そのような過酷な現実が、全員に必ず「いつかくる」ことを知りながらも…

「喜びも悲しみも、誰とどんな思い出を共有していきたいか。時間は有限であっても、心の豊かさや想いは、無限に広がるという可能性を知った。」

「自分だけではなく、周りの家族・友人・恋人を幸せにしたい。笑顔にしたい。大切にしたい。そうすることが自分の幸せだと、あらためて感じた。」

「想いや言葉は、人を生かす。人が寄り添い合うあたたかさを、日常で忘れていた気がする。人を愛し、人に愛される人になりたい。生き方を考え直すきっかけになった。」

「今を生きる僕たちが、その想いや願いを、受け継ぎ引き継いでいかなくてはならない、そう誓えた時間だった。絶対、必ず吉野山に行きます!」

…「寄り添いたい」「手伝いたい」と願いを向け続けた先で、気づけば私たちが寄り添われ、救われていることに、言葉では言い尽くせない感謝の気持ちが、生徒さん達と出会う度に溢れます。

若い皆さんの未来を、微力ではありますが、これからもしっかりと支えていける寺院でありたいです✨