GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

本当に、人が死ぬときは、いつだと思いますか?

先週に続き本日14日も、兵庫県 甲南大学にて 「死生学 〜日本の死生観〜」の講義をさせて頂きました。
今週は、もっと身近な「愛する人の死」とどう向き合い、どう「生と死」を捉えていくか-

本当に、人が死ぬときは、いつだと思いますか?
本当に、人を救うのは、誰だと思いますか?

人は多くを人から学びます。

愛も別れも、喜びも苦しみも。思いやりも憎しみも、生きる意味も死ぬ覚悟も。そしてそれはすべて「生きていてこそ」、実現・体験できることばかりです。

人が真に死ぬときは、いつだと思いますか?

本当の死とは、誰もその人のことを思い出さなくなるときです。話題にしなくなり、人の記憶から消えてしまうときです。

肉体は側にいなくても、心の中で一緒に生きているあの人のことを、いっぱい想うこと。話しかけ続けること。思い出を語り継いでいくこと。遺してくれた言葉や想いを、誰かに伝えていくこと。

自分が見ている目の前の風景を、あの人も一緒に見てくれている、そう信じること。

そこに幸せと感謝を感じることができれば、愛する人の死を経験し、悲しみや後悔を消すことはできなくても、今を肯定的に生きる選択は可能です。

人を真に救うのは、誰だと思いますか?

人を救うのも、それもまた、人の力と、人の言葉と、人の想い…人です。

皆さんが今日この時間の中で選択する行動が、発する言葉が、語り継ぐ思い出が、誰かに「ああ、今日まで、今日も、生きていてよかった」と思ってもらえることができれば…この世界はもっと優しい場所になる。

そんな願いを込めながら…毎年、学生さん達の真摯な眼差しと向き合えることに、感謝で一杯です。

Anju

自発性を大切に

12月7日 兵庫県 甲南大学にて、非常勤講師として「死生学」の講義 「日本の死生観」を、担当させて頂きました。
様々な分野の教授 研究者 博士の方々が、それぞれの観点から捉える「死生観」-

いま、何も影響を受けていない人、は存在しません。物質的にも精神的にも、何かしら必ず皆が身をもって、一緒に経験している様々なこと。

この激動の世界で、生きていくことを受け身とせず、自発的に「生」に気付き真っ直ぐ歩んでいってほしいから。

誰かに言われたから、皆がしているから、ではなく、自分で考えて、自分の心で決断して、自分の足で志を生きてほしいから。

そして、人生のさまざまな道に迷う時、そっと寄り添ってくれる言霊や場所が欲しい時…自然や社寺という環境が、いつもそこで用意されていることを、知ってもらいたいです。

講義は来週14日も続きます

……
極めて現実的で「実践的」である修験道の世界観から、「死」をメインにお伝えするのではなく、「生」を前向きに見つめ直して頂き、「明日からではなく、今から出来ること」を考えるきっかけになれば幸いです

花の清めの力

柊(ヒイラギ)の花の香りを、どう表現すればいいのか、毎年悩みます。
トゲトゲした魔除けの葉からは想像もつかない、優美な香りを放っています。ジャスミンのようで、銀木犀のようで、そうでない。

1年を通して、様々な植物のおかげで、境内は常に清められています。

落ち葉にしかない美しさ

落ち葉にしかない美しさがある

人は、咲いている花や、色の美しい葉に心惹かれます。

そして、色褪せた花びらや、枯れていく葉の生命の輝きを見ようとしません。
私たち人間の足や車に踏まれ、変色していく落ち葉の中にも、自然の底計り知れない優しさと、温かさがある。

その葉っぱの下の土中で、冬を越すために準備する種や虫たちの、尊い生命の営みがある。

#この場所を愛しているから

Traditional と Modern の精神で

昨日、11月いっぱいご開帳致しておりました、宝聚堂(宝佛殿)の御扉を閉じさせて頂きました。
櫻本坊は、器はお寺でありますが、修験道 仏教 密教 陰陽道 そして神道…を含む1つの宗教 宗派にとらわれない縛られない、神仏習合の祈りが満ちている場所です。

祈り方 祀り方 作法 形 装束 唱える言霊は違っていても、心を向ける方向と、祈る心構えは同じ。

天武天皇が当山を建立された日から、1300余年もの時の中で、守り継がれてきた祈りと想い。

途絶えさせてはいけないこの道を、発展進化させ未来に繋げるために、足はしっかり大地に、志の実現は自分の手で、想いは宙に。

不易流行の精神で、時代の在り方に合わせながら、修正 改善しながら、変わらぬ本質を継承していく。

これからも絶えることなく「祀り」「祭り」を続けていく。
伝えていく想いがある限り、続けることに…意味がある。

Anju

“特別な事をするために特別な事をするのではない。特別な事をするために普通通りの当たり前の事をする” by イチロー選手

#この場所を愛しているから