GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

私たちの偉大な師匠

私たちの偉大な師匠

櫻本坊では、各作法の正式な伝授の継承にも尽力しております。
全ての作法は「清める」「祓う」ことが軸にあります。

外から来る魔を防ぐためだけでなく、自身の心の中の魔(言霊の使い方 欲 傲慢さ 損得感情 妬みや怒り 思いやりの欠如 等)に気付き、常に自身に問いかけ 見直すことも、大切な「清め」−

作法・技術を通して、その根本にある「道」…精神性・人の生きる道(人生)・自然との共生を学び、真に想う力「真心」を磨く。
そしてその真心を磨くために必要不可欠な要素は、謙虚であること。

しかし現実では、謙虚でい続けることは、最も難しく、最も人間が忘れがちな初心です。

自惚れ傲慢になってしまうと、見えなくなるもの、失うものが沢山存在します。

軸をブラさないために、もしブレてしまって向かう道がズレてしまっても、修正してくれる唯一の偉大な師匠、それが「自然」。

私たちは、冬の寒さを、夏は忘れています。
そしてこのうだるような暑さを、冬には忘れます。

「慣れ」てしまうと忘れるのが、人間。
だからこそ自然は「四季」を巡らせ、時には厳しい試練を与えながら、私たち人間が「自ら気付く」よう促してくれる。

修行に終わりはない中で「ブレない軸」を保つ努力、慣れがダレになり、気の緩みが「法」の崩れにならぬよう整え直す…その繰り返しの重要さをお伝えしています。

Anju

*正式な各作法・伝授は、得度を受けていることが受講資格となります。

吉野聖天大祭ご案内 〜恐れと歓び〜

吉野聖天大祭ご案内 〜恐れと歓び〜

10月1日へ向けて、既にさまざまな準備が進む中、この時期 聖天堂に入ると感じる独特の空気感。

お祭りは「奉(たてまつ)る」「祀る」、神仏がお越しになられるのを「待つ」こと。

私たち人間の側まで、恐れ多くもお越しになられるのを待つと同時に、神仏も…お祭りを待って下さっているように感じます。

お祭りに凝縮される、何千年も続く人々の祈り・願い・尊い存在への恐れ・喜び・感謝…

年に1度、みなが心を1つにして、ご神饌をお供えし、良い言霊がたくさん入った祈りの言葉を捧げる日。

私たち人間にとっては、心が向かうところを再確認させて頂く「戒めの日」でもあります。

役行者がご感得された日本最古の聖天尊といわれる「完全秘仏 歓喜天双身天王」、そして…恐れられ荒ぶる神であった聖天尊をおさめた、ご本地仏「秘仏 十一面観世音菩薩」-

一如: 二柱 共にあってこそ、真のお力が引き出され、その御神意に触れさせて頂ける祭礼が「吉野聖天大祭」です。

Anju

<<令和2年10月1日(木) 吉野聖天大祭>>

○午前零時〜1時 聖天浴油秘法供 於 聖天堂

住職により例年通り厳修致します。

秘法供は非常に、非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂への一切の出入りを禁止しています。
ご参拝予定の方は、堂前(表)にて同行可能です。

○午後1時〜 聖天尊ご本地佛 十一面観世音菩薩 祭礼 於 聖天堂

例年通り、1年に1日(9:00〜16:00) のみ、秘仏 十一面観世音菩薩(聖天尊ご本地佛です)の御扉をご開帳させて頂きます。

○午後2時〜 大護摩供法要 於 櫻本坊境内道場

行列中止、行者出仕者人数を縮小いたします。

○お茶のお接待等は中止

<< ご参拝予定の皆様へお願い>>
・体調不良時(前日までに発熱や咽頭痛 他疑わしい症状がある場合を含む)のご参拝はご遠慮ください
・寺内 堂内では、マスクをご着用ください
・寺内 堂内へ入る際の、手指消毒 検温 時差入堂 人数制限にご協力ください
・堂内 法要中の私語厳禁は言うまでもありませんが、それ以外での寺内での会話は必要最低限に留めてください
・ソーシャルディスタンスの確保にご協力ください

その他、現場で随時ご案内させて頂きます。
皆様のご協力 ご理解をお願い申し上げます。

門を去るべきとき

門を去るべきとき
「道」と名の付くところに必ずあるものは、礼儀・感謝・お互いへの敬意・思いやり・謙虚さ…そして不完全さ。

茶道・華道・書道・剣道・柔道・香道…神道 仏道 修験道、全ての「道」に通ずる共通点です。

今夏、幾度となく問われ続ける人種差別に関する問題で、米空軍士官学校トップのスピーチが話題になりました。

「他人を尊重し敬意をもって接することができないのなら、今すぐここを去れ。」

このメッセージに込められる想いは、全ての道にも言えることであると共感しました。

「道」を修める者、が忘れてはならない基本とは?

もちろん、各々の技術・作法取得も大切です。

しかし、自分は「イチ人間」であることを自覚し、人間としての「当たり前を当たり前にする」ことが大前提にあります。

人として他者を不快にするような言動を控え、思いやりが真っ先に自他を包む思考を磨き続けること。

特別な日・人前の行いだけではなく、ふだんの行いが、すべてに反映されていることに、今一度気付くこと。

「人としての道」での「修めるべき行い」が伴っていなければ、どのような道を歩むにも裸の王様となってしまいます。

その道から何を学びますか?
どこに続く道でしょうか?

各々の「道」、その門を去らねばならぬ事がないよう…この道を修めるための慎みと謙虚さを、当山では何よりも大切にお伝えしています。
Anju

イチ人間として

イチ人間として

今週末、当山では「得度受戒式」が執り行われています。心新たに生まれ変わり、神仏へ、十の約束(十善戒)を守る誓いをたてる、大変重く荘厳な儀式です。

神仏の「道 」と「教え」に出会い、その世界へと「渡り」歩ませて頂く「機会を得る」こと、そして人の模範となる心構えと言動への心がけを誓うことが「得度」。

純粋さや正直さを貫くことの難しい世の中で、それでも、揺るぎない信念を持って真っ直ぐな心で、自分と他者に接する優しさと勇敢さ。

自分が今できる100%で、生きる行いを修めていく、良い想いと 謙虚で真摯な姿勢を持ち続ける。

私たち人間は「当たり前」こそ怠けてしまいがちで、簡単でシンプルにみえる「当たり前」を「当たり前」にすることが、最も難しい。

「誰も見てないし、これでいっか」

そのような気持ちの怠慢を、自身に許してしまうことが既に「穢れ」、つまり「氣枯れ」と考えます。

こういった修行の道場では、社会での身分肩書・性別・年齢・国籍…全てを脱ぎ、皆が等しく与えられたイノチと向き合い、「イチ人間」としての本質が問われます。

全てに、その人の心構えが曝け出され、何一つごまかせない「後ろ姿」を見させて頂くことが多い現場であります。

誰も見ていない所、誰も見ていない時も、損得や見返りを考えず、怠らず行動する心構えをすりこんでいく。

この心構えの積み重ねが、日常の尊い「祈り」であり、人への「思いやり」と結ばれていくと信じています。

Anju

愛しかない

愛しかない

“Those who walk the walk, will never need to prove it with talk. ”

今夏は、例年と違った形で、自然・山々と向き合う時間となりまし

新しく結ばれた皆様とのご縁、今まで以上に深まったご縁…大変ありがたい宝ものです。ありがとうございます
写真は「お寺で癒(い)よう」プログラム内で実施された、吉野奥宮への登拝修行(歩禅)へ向け、当山本堂前にて道中安全を祈願する勤行の様子です。

こういった時代に突入し、今まで以上に、心と生命と向き合い、意識的に自然に入って五感を澄ましたい、自分のためだけでなく、他者 社会のために祈りたい…そのような「他者満足」な想いを胸に、全国各地からお越し下さる方が増えました。

自然から受け取るのは、母のように無条件に優しく、そして厳しさのある愛です。
自然は、私たち人間を決して責めたり非難したり拒絶しません。

はんたいに、すすんで私たちの心身のデトックスをしてくれ、愛と光で満たしてくれます。

私たち人間も、皆が…そんなふうに思いやりを持ってお互い接し合え、愛がベースにある言動を心がけることができれば…世界から争いはなくなり、本当の意味での世界平和が訪れる…そう願ってやまないのです。

Anju

*登拝・巡礼は一般的な登山やハイキング感覚ではなく、御神体である自然の中に入らせて頂き、祈り歩むことを目的とする行です。山々の神仏への敬意と、心の純粋性を表すため、白を基調とした服装がのぞましいです。