GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

原点があるところ

「分けない」「区別しない」
神仏習合;多様性の原点が吉野山にはあるー
(天武天皇例大祭 入堂前)
何もかもが一足早く訪れる今日この頃ー
風に乗って、様々なお花の蜜の香りが運ばれてきます。
本当にいい香り。
香りと鳥たちの声に癒される大講堂でのひと時ー

戸は開く 光を放つために

戸は開く 光を放つために-

本年の大峯山戸開式は、5月3日(祝) 午後1時からです。なお大峯山上参籠所は、5月3日よりご利用頂けます。
表にはでませんが、この困難な社会情勢のなか、我々社寺にとっても、大変厳しい試練と決断が続いていることに変わりありません。

しかし、直面する課題に冷静に取り組みながら、なすべきことをする。神仏を祀(祭)り、場と心身を清め、心の在り方「人として大切なこと」を伝え続ける情熱は失わない。

大峯山という御神体があるからこそ、里の護持院の祈りの道は結ばれています。

なんのための修行か。

永い冬の眠りから覚め山の修行が始まる夏。
一歩一歩山を踏みしめ自然と一体となり、本当の自分に気づく「場」ーそこが大峰山です。

真の自分、真の心。
人として社会を生きるうえで、絶対に忘れてはいけない、「自他を思いやる心」を再生させるための「道」ーそれが大峯山…修験道です。

Anju

生命の色

緑は生命の色―
新緑 初夏の吉野山のキラキラさは格別です。
「その環境に必要な植物が芽を出す」と、庭師の方から教えて頂きました。

すべてを浄化してくれる植物の偉大さ。

夏は特に多くの薬草や植物が生い茂る境内ですが、草抜きの作務に込める生命への感謝、今一度「ありがとう」と大地に語りかけながら、自然…つまり自身の生かされている命と向き合いたいと思います。
Anju

心で尽くす

心で尽くす

社寺に詣で鳥居や仁王門といった結界を越えるさい、一礼が参拝マナーとされています。

これは神仏が坐す聖域に、入らせて頂きます、といった敬意や感謝、日常との切り替えのためでもあります。

神仏に対しても、人に対しても、根本にある「礼儀」のこころは同じ。

しかし最も大切なことは、形として表すこと以上に、心があるかないか。

心揖(しんゆう)、という言葉がありますが、物質的にお辞儀ができなくても、心で礼をする。心の中で礼を尽くすこと。
表に見えなくても、必ず伝わる「想い」-
その想いの積み重ねが、発信と受信の力となると信じております

Anju

なにを鏡とするか

なにを鏡とするか
お金や力で人を動かすことは容易です。
心や言葉で人の心を動かすには、忍耐と継続が必要です。
心は、真心でしか動かすことはできないから。どちらにしても…ベースにあるのは、愛なのか恐怖なのか。
なんでもボタンひとつで簡単に手に入れることができる情報社会で、あらためて考えること。

ブッダやイエスキリスト、また役行者も、布切れ1枚を身体に巻き、自分の足で歩み、自らの言葉と生き方を鏡とし、人々に反射させ伝え続けた想い。

すぐに相手や社会に届かないかもしれないけれど、必ず伝わる人には伝わっていく。

どれだけ時代が変化しても、平和な世の中を求め続ける根本にあるのは、いつだって、相手を思いやれる勇気と、恐怖に支配されず…「信じることを信じる」…愛ベースの自信ではないでしょうか。

Anju

……
先日12日、天武天皇ご念持佛『秘仏 釈迦如来坐像(重文・飛鳥白鳳時代)の 御扉を閉じさせて頂きました。

ご開扉中にご縁を結ばれた皆様、また連日ご出仕下さいました行者信徒関係者の皆様に、深く感謝申し上げます。

世界が大きく変化し続ける中、様々な変化を前向きに捉え進化の糧とし、強く信念を持って過ごしていきたいと切に願うことです。櫻本坊の神仏の御心を鏡とし、未来へ真っすぐ想いをつないでいく所存です。

櫻本坊から発信される揺るぎない祈りと想いが、1人でも多くの方の道開き・道邁進の想いの実現に結ばれますよう、心よりお祈り申し上げます。

*なお、宝聚堂(宝物殿)は、引き続き4月30日まで特別ご開帳中です