GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

いちごいちえ

いちごいちえ

10月1日、吉野聖天大祭を滞りなく斎行せて頂きました。

ご参拝下さった皆様・出仕して下さった行者の皆様・心を向けて下さった全国の崇敬者の皆様、ありがとうございます。

1日零時、曇り夜空の中始まった聖天尊浴油秘法供。
法要が始まると、月が雲間から顔を出し、明るく…静かに法要を見守ってくれているようでした。
また、山の水が豊富な時にしか出ない境内安寿瀧の水が、示し合わせたかのように流れ、清らかな音霊がひとつ、法要に加わりました。

月・星・水…
夜空・天空・自然の計らいを見させて頂くことが、この大祭の、1年ごとの「答え合わせ」、そう毎年感じずにはいられません。

そして、午後1時からの、ご本地仏 十一面観世音菩薩さまの祭礼。
祭礼が始まる直前に、合図のように歌う青い鳥。
櫻本坊に毎日来てくれる青い鳥たちも、祈りと共にいてくれています。

大護摩の炎は天までのぼり、香煙に射し込む太陽の光の筋が、なんとも言えない有り難い時空間でした。


どのような情勢の真っ只中であっても、1000年絶えることなく続けられてきた祈りの在り方…人間として今できる最大限の努力を捧げさせて頂く。神仏へ向ける気持ち・想いは何一つ変わらず、祭りの「重み」は同じ。

神仏の御前に奉られているご神饌ですが、神仏へ献上し奉るお供物が「ある」ことは、決して当たり前ではありません。

山のもの…海のもの…御食御酒…自然の恵みが今年もあり、多くの方が共に心を向けて下さるからこそお供えできる「ご神饌」–

「一期一会」
こうやって、祭礼の日を目的に、共に心の準備をすすめ、各地からお越し下さること。共に祈りを捧げる時間を当日過ごせること…すでに結ばれているご縁と、その瞬間の「重み」をあらためて感じました。

「調和」「ご縁」「むすび」…どの時代においても、原点にある人間の最も大切な心の部分を忘れない。

今 ここにある「当たり前」の始まりと奇跡を忘れず、今日という1日も…皆様にとって、かけがえのない「当たり前」の時間でありますように−

Anju

修験道は愛

修験道は愛
全てに八百万の神仏が宿り、生まれながら神仏にいつも護られていることを「知っている」…

日本人が本来持つ、自然(生命)を内側から捉え見ることができる精神性と、多様性の尊重。

日本の「有り難い」という言霊と精神性こそ、世界を平和へと先導していける揺るぎない「愛」…つまり「祈り」だと思います。



神と仏・その道と教えを区別せず(神仏習合)、共に祀り仰ぎ尊ぶことが根本にある修験道。

全ては自然に生かされ、全ては自然に還っていく…その光の中で、我々は浄化させて頂き、そして「他者と社会のため」を常に胸に、すすむ。

毎日の「小さな」幸せとミラクルの連続に感謝し、目の前の生を受け入れて、生きる。

そして誰もが平等にいずれは死を迎える事実を受け入れて、生きる

受け入れることの、幸せ。
中今: いまここにある生命に、愛をこめて。
Anju

全ての人に開かれた祈りの道 〜秋季「お寺で癒(い)よう」のご案内〜

全ての人に開かれた祈りの道
〜秋季「お寺で癒(い)よう」のご案内〜

「修験道のお寺だから、山伏と男性しかお参りしちゃいけない、って勘違いしていました!」

この夏、結構な頻度で、思わぬご感想を頂き驚くとともに、客観的な意見を新鮮に感じました。
櫻本坊は、万葉の御世に天武天皇が御建立されて以来1300年、どなたにも開かれた祈りの場です。門から寺内に一歩足を踏み入れたら、性別・国籍・社会的地位肩書…全てを脱ぎ、皆が平等に与えられている「イノチ」として、お互いへの敬意を大切にする「聖域」。

全ての方のために、お護摩・ご祈願お供養・修行の同行をさせて頂いております。

この夏「お寺で癒(い)よう〜五感を澄ます体験〜」を通じて、新しく結ばれた皆様とのご縁、今まで以上に深まったご縁…大変ありがたい宝ものです。

引き続き、吉野山の四季折々の自然を感じて頂きながら、五感を澄ます「体感」ができる環境を、提供し続けて参ります

秋季「お寺で癒(い)よう〜五感を澄ます体験〜」のスケジュールはこちら↓

https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/healing-in-temple2020fall.html

櫻本坊での五感を澄ます時間が、ご自身のみならず、人のため 世のための幸せへと結ばれていくことを、心よりお祈り致します
Anju

「祈り」と必ず共にある「香り」の力

「祈り」と必ず共にある「香り」の力
昔むかし、小さい子供たちが「トトロの木」と呼んでいた、境内授与所前の銀木犀-
本日、例年より2週間近く遅く、開花いたしました。
樹齢380年、県指定 天然記念物に指定されています。
その甘美な香りは、遠くまで風にのって運ばれ、生涯忘れることができないほどの魔力を持っています。
櫻本坊では、古来から継承される本来の「香」の役割を忠実に守り、心身を清める儀式で取り入れています。
何にも穢されていない本物の香りが、ご参拝の皆様の六根を清浄にする後押しとなりますように-
Anju

Traditional and yet Modern

Traditional and yet Modern

本日『大峯山 戸閉式』を、護持院と地元信徒総代関係者のみで斎行させて頂きました。

皆様には、本年の変則的な開山期に多大なるご理解 並びにご尽力 ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
引き続き、修験道根本道場 大峯山の法灯継承のため、ご理解 ご協力のほど何卒お願い申し上げます。

神社仏閣の大きな役割は、それぞれに祀られる神仏のために謹んでご奉仕し、神仏に最大にお力を発揮して頂くために、清め祈り続けること。

そして、祈願者・参拝者の心に寄り添い、悲しみや苦しみを半分に、喜びや幸福感が倍になるように、心に問いかけて頂き、神仏の御心を体感・体験して頂くための場を祓い続けること。

神仏の教え、受け継いできた祈りの道を、「同じ形」で護り継承していくことは、決して容易いことではありません。

古来よりの伝統と祭祀を重んじながら、そこに時代に合った新たな風を加え続けながら…常に「Traditional」と「Modern」を同時に追求し続けなければ、伝統は継承できません。

その道とご奉仕の多くが、目に見えず表にでない中で、確かに感じ、信じ、心で観えるものがあります。

神仏御前の燈明の光、お線香の香煙、ご神饌、玉串が絶えないよう…十年後 百年後 千年後に繋げるために、常に今できる100%で邁進して参ります

大峯山護持院 井光山五臺寺 櫻本坊