GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

共に生きる

吉野山奥は、枝先に雪が残っています。
雲ひとつない快晴の中、キラキラと枝先から降って来る“雪の音” “色の音”
鳥のさえずり、螺貝の音霊。

歩いていると、足元を見がち。
見上げると、背の高い 風に揺られる万華鏡のような樹木、ヒバと大地の香り、差し込む光

私たち人間も、この自然の一部。共に生きている。
自然のエネルギーが、皆様にも届きますように-
写真は大峯奥駈道・吉野古道の一部である大天井ヶ岳・五番関・四寸岩山・そして万葉時代に天武 持統天皇も仰ぎ祈った青根ヶ峰…

 

目に見えないからこそ -高倉稲荷明神社祭礼-

目に見えないからこそ

旧暦の初午の日である本日 午前7時、高倉稲荷明神社にて、祭礼を斎行させて頂きました。

山(自然)そのものをご神体とする、奥深き心あたたかい山の神が鎮座されます。
こちらの眷属は、(キツネより古い)古来からの信仰が残る、二頭の白狼達で、様々な魔厄病災いを祓い守護して下さっています。

星の王子さまの、あの名言-
「物事は心で見なくてはよく見えない。いちばん大切なことは、目に見えない」

世界共通で、人類全てに言えるように、何が大切で、何を誰を信じればいいのか、常に選択を迫られる現代社会。

同時に、「目に見えない」ものへの恐怖や不安に、心が迷わされる現代社会。

どんな時であっても、自分の心を見失わず、心眼を曇らせないように…同じ社会を一緒に生きる者同士、お互い「人」として、どう冷静に行動すべきか考える「ひと手間」を入れてみる。

先人や偉人が遺した財産である、どの経典・聖書・教え・口伝にも、最も基本的な土台に、何も難しいことは書かれていません。

・当たり前を当たり前にする
・人にされて嫌なことは人にしない
・感謝と敬意と想いやりを忘れない

よく考えると…私たち全員が必ず守れる…「人として」の道ではないでしょうか。

Anju

「心」から追い出すということ

「心」から追い出すということ

桃の節句である3月3日-
中国の陰陽道から、奇数が重なる日は「強い陰」をなすことから、災いを避けるために、禊をし お供物をし、邪気払いをする日とも言われます。
さて、桃には魔除け 邪気払い力が強く備わっています。

古事記で、日本という国を産んだ国造りの神の夫婦、伊邪那美命と伊邪那岐命の神話内に、その力が書かれています。

…亡き妻の伊邪那美命を連れ戻すために、黄泉の国へ行った伊邪那岐命。
しかし変わり果てた妻の姿に驚き逃げる夫に怒った妻は、黄泉の国の使者(魔物)に夫を追わせます。
伊邪那岐命は、この世と死者の国の境目まで逃げ、その境界線にあった桃の樹になる実を3つ投げ、魔物を黄泉の国へと追い払いました。
その後、伊邪那岐命は、黄泉の国の穢れを祓うために禊をされ…その禊により、最も尊い3柱 天照大御神・月読命・須佐之男命が御生まれになりました…

なぜ、清めることが、これほどまでに重要なのか。
「祓詞: 祓え給え清め給え」「六根清浄」…言葉や唱え方・作法が違うだけで、心身を清めることが全ての基本です。

清ければ清いほど、心に想う願いは全て成就する
身近なところから、まずは六根:
目で見る目の前の風景
鼻で嗅ぐもの
口から発する言葉
耳に聞こえてくる言葉
身に触れるもの
意識の持ち方
…を見つめ直してみる。

それが心地良いものか不愉快なものかは、選択できる時もあれば、選択できない時もありますが、不快でネガティブなものであっても、心には入れないように、心の中で「鬼退治(邪気祓い)」を意識してみる

最も身近な魔物や穢れは、案外…自分自身が心の中で作り出してしまっている…ことが多いのではないでしょうか

Anju

*当山では「魔除けの香り」として「桃の香油」のご用意もございます

いっぽん。

いっぽん。
「道」と名のつく教えの根底にあるもの…それは「清めと祈り」

茶道・香道・華道・書道・剣道・柔道…そこには、決して技術だけでない、「他者を敬い想いやる心」を育てるスピリットが軸にあります。

「礼儀作法」がかならずあります。

それは、神道 仏道 修験道も全く同じ
また、人が生きる道(人生)にも言えること

それぞれの役割を示す、肩書(職業)や服装(装束)がある。
しかし、結局は「人間」という部分で見つめ直した時に、果たしてその人の後ろ姿は、社会で共に生きる人として尊敬できる背中かどうか。

自分の後ろ姿は、はたして人として、恥ずかしくない生き方をしているだろうか。

互いを敬い想いやる言動=礼儀作法

その「当たり前を当たり前にする」心構えに怠慢にならないために、まずは自分自身の心と言霊・行動を清めることが、「修行」の核ではないでしょうか。

Anju
*写真は漢字の「一(いち)」
たった一本、真っ直ぐな一線を引くことが、複雑な模様を描くよりも、難しい。
一切誤魔化せない、その人の人柄 心 生き方が最も表れる、最もシンプルな、いっぽんの線。
櫻本坊は、その一本の道(軸)をブレさせない「心の向かうところ」を明かにし、お伝えする場でもあります。

革命の前夜の静けさ

革命の前夜の静けさ
天武天皇2年 673年 2月27日、大海人皇子は天武天皇としてご即位。
本年は、ご即位されて1347年となります。

NHKで先月1月12日に放映されました「天皇のディナー〜歴史を動かした美食〜」にて、飛鳥時代 天武天皇が食していた夕食が再現。
その夕食の内容は、現代の和食の原点となった「食」として紹介されていました。

「食す国(おすくに)」: 日本を外国と渡り合っていける強国にするため、全国の特産物を献上させることにより、日本を統一する1つの糧として「食」を大切にされました。


私たち人間は、変化を嫌い、前例のない物事を嫌う生き物です。

しかし2020年は、変革・転換の年。
この革命の星のもとで、今まで以上に「原点」「初心」「足元」を見つめ直す機会が増しました。

全く新しいものへと変化させる革命もあれば、大事なものを取り戻すために「原点」へ戻るための革命がある。

周りから見て、止まっている・退いている・静かに見える時ほど、古い武器を手離す断捨離と、水面下で着々と、革命を迎える準備が…整えられている…のかもしれません

Anju