GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

まことの心から生じる言動

新年を明るく清らかに迎えるに際し、全てのお堂とお社の大掃除 大祓が続く年末
仁王門の注連縄も新しくなり、爽やかな風が気持ち良いです
国内国外問わず「修行がしたい」「修験道の心を学びたい」と、当山の門を叩かれる方は年々増えています。
今年も、海外から何組か修行者/研究者の受け入れがありました。皆さん既に数年 櫻本坊で、様々な形で学ばれている方々です。
彼ら 彼女たちが、吉野山に到着し、当山の門に足を踏み入れ、こちらが言わずして真っ先にされることは「無言の行」として、お堂や境内 トイレの掃除です。

「作務」の大切さ、修行の中で最も尊い行は「清め」「掃除」ということを、当山で過ごす中で心から感じ取り、実践される姿を見て、当山が信じ発信し続けてきたことは無駄ではなかった、と胸が熱くなった瞬間でした。

シェフになりたい人が、いきなり厨房に立ち料理を提供することはできません。
キッチンの掃除をせずして、食材や器具の洗い方や取り扱い方を知らずして、シェフにはなれません。

櫻本坊が大切にしている軸は、とにかく「基本の“き”」を繰り返しすり込んでいくこと。

私たちは、肩書き 性別 国籍を取り払えば、結局は「人間」であるということ。その「人間力」、自分と他者を想いやる心の在り方を、共に高めていくこと。

自然の中での行、人目に触れる場での作法も大切です。同時に、日常の生活を「どう」生きるか、表にでない地味な根っこの部分にこそ心を修める。

「まことの心から生じる言動」「後ろ姿」「言霊」の神髄を体験して頂けるこの場を、磨き続けることの決意が更に深まった1年でした
Anju

Christmas Wishes

“You are not a drop in the ocean.
You are the entire ocean, in a drop.” -Rumi

-あなたの存在は、決して「些細な」ものではない。
あなた自身がすでに大海であるように、全ての生命は海のように美しい
余裕がない 生きにくい…と感じることが増える近年。
生命の倫理観や死生観すらも、人間の都合で操作されつつある現代社会。

権力者 弱者、健常者 病人 障がい者、勝者に敗者…
本来の「いのち」の在り方に、勝ち負けはないはずなのに、悲しいことに「いのち」の価値が、条件によって振り分けられる現実。

生命の誕生、そして「生きる」ために想い 動かされる動力は、恐ろしいほどのエネルギーに満ちています。
当たり前は存在しません。全部の瞬間が奇跡。

誰もが、自分と同じ「いのち」を生きている。
YOU ARE は私でもあって、 I AM はあなたでもある。

その原点を 皆が想うことができれば、この星はもっと 「いい想い」が力になっていくはず。

世界が平和の祈りに包まれる聖なる日に、全ての生命の幸せと平安を願って…🕊

メリークリスマス

Anju

*キリスト生誕の場面を表した 伊万里焼の置物を頂きました
シスター達が祈りながら作られたものです

未来は誰のためにあるのか 〜中部さい帯血バンク 講演〜

未来は誰のためにあるのか〜中部さい帯血バンク 講演〜

12月12日 石川県小松市 恵愛みらいクリニック
にて、さい帯血採取施設 教育訓練内の講演を担当させて頂きました。
北陸初の、さい帯血採取病院

どの国を見ても、古来より お寺や教会という場所は、教育や医療の最先端でもありました。

祈りとともに存在していた医療-
祈りが治療と治癒であった医療-

櫻本坊が大切にする想いの一つに「祈りと医学 -CAREとCURE-」の繋がりの重要性があります。

医学で身体は治せても、医学だけでは治しきれない「心」

心のケア、人の心に寄り添い続ける使命の宿る祈りの現場で、日々想うこと。

お寺として、何を大切にしていきたいか-

お寺という場所だから可能な、「想いを力に」していける「真心」の在り方を、体験してもらえる場づくり-

こういった講演を通して、医療従事者の方々とのご縁も広がりました。
その輪の中で、あらためて気づかせて頂く、生命と祈りの「繋がり」「結び」

櫻本坊という場を活かしながら、参拝者 祈願者 皆さんの笑顔で、毎日を満たしていきたいです

Anju


日本赤十字社 近畿さい帯血バンク様とのご縁から始まり、各病院(産科 婦人科 小児科)で、医療従事者の皆様(と妊婦さんを含む場合有)に向けて行われる教育訓練 講演担当は、今年で7年目です。

*中部さい帯血バンク <さい帯血ってなに?>↓
https://www.chubu-cbb.org/entry1.html

近年、血液の病気の新薬・治療の著しい発展が話題になっています。

さい帯血は、赤ちゃんとお母さんを結ぶ「臍の緒」から、出産時に採取される血液で、さい帯血移植は、重篤な血液疾患の治療に役立っています。

出産を控えていらっしゃる方、身近に妊婦さんがいらっしゃる方、出産時の臍帯血 提供協力によって、救われる命があります。患者の家族にとっても、繋がる夢と未来があります。

深いご理解と温かいご支援をお願い申し上げます。

*臍帯血採取のさい、母体と赤ちゃんには負担 痛みはありません。厳格な基準を満たし認可された、公式な臍帯血採取産科施設にて、事前に同意書にサインして頂く必要があります。

何をもって導いていくか

何をもって導いていくか

12月7日は、山の神様(おおやまづみのみこと 大山祗神・大山祇命) の祭礼日、12月15日は、秋葉大権現の総本宮の例大祭でご縁日

当山 本堂左手に御坐します「天狗経」に説かれる日本四十八天狗の1柱: 秋葉大権現 吉野皆杉 小桜坊-
明治以降 長年失われていた、右手に持たれる持仏 八手の団扇、左手の独鈷杵は、平成の御代に 復興させて頂きました。

こちらの天狗様は、その八手の団扇で内外の災難 厄 魔を祓い、良い風を吹かして下さいます。
また、山の神の使いとして、修行する者を守り導き、冷静な判断力を与えて下さると伝わります。
そして、護摩を焚くさい、炎に向かって扇を仰ぐ作法の時には、その御力と風を炎に入れて下さるのが、天狗様

祀られる全ての神仏は、私たち人間と同じように使命・役目があります。
例えばヴァイオリニストにとってヴァイオリンがなければ仕事が出来ないように、神仏が手に持たれる「持仏(じぶつ)」にも全て役割と意味がある。
さて、「天狗になる」ということわざ。

あくまでも私たちが目で見ている神仏のお姿は、人間がつくった「形」で、本来の御霊や光の柱は、心で観る・観じるもの。

しかし、森羅万象の営みの中で、神話を含め、先人たちが残してくれた教えは尊く、こういった神仏のお姿を通して、私たち人間が忘れてはいけない「基本の“き”」が継承されていること。

また神仏は、その与えられた姿 形をもって、私たちに教えてくれているメッセージが常にあるということ。

戒めとして、ことわざになった「天狗」の姿-

…その姿の裏側には、こういった神仏の、自らの身をもって導く寛大さと…計り知れない優しさがあることに、感謝を込めて…

Anju

スターウォーズにみる「心」

スターウォーズにみる「心」
櫻本坊では、各作法の正式な伝授の継承にも尽力を尽くしております。

神仏の御前に詣でるには、常に心身・言葉を「清める」「祓う」「六根清浄」が大切になってきます。
そして、山や自然に入る時、また日常の中でも、「魔」「厄」「災い」「難」から「身を守る」こともとても大切です。

例えば「護身法(ごしんぽう): 諸々の禍事 罪 穢れを祓い、神仏にあらゆる「魔」から護って頂くための作法」-
日常 山 自然に潜む、私たちの「欲」や弱い所に入ってこようとする「魔」-

でも最も身近な「魔」はどこに潜んでいると思いますか?

私たちの心の中-

外から来る魔を防ぐためだけでなく、自身の心の中の魔(言霊の使い方 欲 傲慢さ 損得感情 妬みや怒り 思いやりの欠如 等)に気付き、常に自身に問いかけ 見直すことの大切さ。

とても分かりやすい例として、スターウォーズ やハリーポッター

1人の青年が、マスターヨーダにもダースベーダーにも…救世主にも闇の帝王にも…「すべては”心“しだい」で光にも闇にも転じることができる。
つまり、私たちは皆、どちらの心も有しているということ。

心の向け方、心を向ける方向、意識の在り方、そして「想い方」。

修行に終わりはない中で「心構え」「ブレない軸」を保つ努力、または向かう方向がズレていないかを見直し整え直す…その繰り返しの重要さをお伝えしています。

Anju

*正式な各作法伝授は、得度を受けていることが受講資格となります。