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やまと ことのは つづり

装束のひふみ

装束のひふみ

今年の吉野聖天大祭も、結願させて頂きました。日程変更にも関わらず、出仕して下さいました皆様、ご参列して下さった皆様、深く感謝申し上げます。

降ってくるかのような満天の星空とロウソクの灯の中での夜中の秘法供法要。
聖天堂の前で参列している間、堂内から聞こえてくる厳かな祈りの言霊たち。

清らかな鈴が鳴らされるのを聞くと
「あ、聖天神が来て下さるんだな」
「あ、お帰りになられるんだな」
と、胸が熱くなり、手を合わせる意味を深く感じる瞬間でもあります。

目で見える法要でないため、中で何が起こっているのかは一切見えませんが、神仏の「気配」を強く感じれるのが、また我々日本人の精神性でもあります。

「信じる」ことと同様「気配を感じる」そして形なきものを観る心の目が、私たち人間には本来備わっています。

晴天に恵まれた、十一面観世音菩薩の祭礼。
1年に1度の大祭で、この日住職が着る衣帯は、神仏に最高の敬意を表すものです。

装束を着る意味。
人に、それぞれの役割を示すためにも大切なことでもありますが、本来、僧侶 神職 牧師 行者…その装束は、神仏への敬意であり、中取持(なかとりもち)としての正装であります。

人は時に、人に見せるための衣装と、傲慢な意識に支配されますが、「装束を着る意味」を今一度見直し、着たからには、心を向ける方向を間違ってはいけません。

襟を正す、つまり着衣を整えることで、心の軸を整える。中取持は、背中でこそ、人々を導いていけるものです。

心一願となって、厳かで心温まる祭礼を執り行えましたこと、喜びに満ちた祈りが、ご参列下さった皆様に満ちていきますことを、心よりお祈り申し上げます

Anju

お供えのいろは

「お供え」のいろは
<写真:吉兆羽根雲>

暦は神無月へと移り、夜空の透明感が増してきました。

明日3日へと延期になった吉野聖天大祭の準備も、いよいよ大詰め

お祭りの前後には、表には出ない多くの縁の下の力持ちの存在と、沢山の準備が行われています。
お祭り当日に表に出ることよりも、ほとんどのことが、前後の人が見ていない所で行われています。

何よりも真っ先に行うことは、やはり掃除。
何を行うにも、清めに始まり清めに終わるのが大基本。
それはそれは気持ちの良い尊い作業です

お堂やお社の清浄と同様に、神饌所(神仏へのお食事を作る場所)の清浄もとても大切にされます。

当山では、それが大黒(台所)にあたるわけですが、お供え物の準備をする前に、まず大黒を清めピカピカに火 水回り お釜をピカピカに

神仏に召し上がって頂くお供え物を取り扱う、また神仏のお力がこもったお供え物を下げてくる…その心構えと尊さを思えば、大黒も神聖な場所に変わりはありません。
<写真:御宝前には御饌御酒くさぐさのたなつもの✨そして芳しいかほりの百合のブーケを/出仕の方達が1日かけてついて下さったお餅✨真っ先に神仏の元へ届けられます。/当山に伝わる秘伝のお供え物✨>

そして、神職でいうと陪膳・膳部の所役、僧侶でいうと典座の役職、つまり神仏へのお供え物を最も身近に取り扱う役割は、古来より重役とされてきました。

家庭でも、社寺でも、何気なく「お供え物」が御宝前に供えられているように見えますが、今までの千年 毎日 毎年 そして未来永遠に…お供え物を献上できる尊さと喜びを思うと、神仏への感謝の気持ちが自然と湧き出るのではないでしょうか。

Anju

<<10月3日(水) 吉野聖天大祭>>

13:00 聖天尊ご本地仏 祭礼 於 聖天堂
14:00 大護摩供法要 於 境内護摩道場

1年に1日(9:00〜16:00) のみ、秘仏 十一面観世音菩薩の御扉をご開帳させて頂きます。

尚、10月3日 午前零時より聖天堂内陣にて、住職により秘宝供を厳修致します。

*秘宝供は非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂の一切の出入りを禁止致します。

*皆様による夜中の浴油はございませんが、ご参拝の方は堂前にてご同行頂けます。その場合は午前零時〜1:00の間にご参拝下さい。

<重要なお知らせ> 台風24号接近に伴う 吉野聖天大祭 延期のお知らせ〜

<<<<<重要なお知らせ>>>>>

台風24号接近に伴う 吉野聖天大祭 延期のお知らせ〜
10月1日(月)に予定しておりました、吉野聖天大祭は、台風24号接近を考慮の上、延期と致しました。
新しい日程と致しまして、
日程: 10月3日(水)

13:00 聖天尊ご本地仏 祭礼 於 聖天堂
14:00 大護摩供法要 於 境内護摩道場

同日 9:00〜16:00、秘仏 十一面観世音菩薩の御扉をご開帳させて頂きます。

尚、10月3日 午前零時より聖天堂内陣にて、住職により秘宝供を厳修致します。

*秘宝供は非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂の一切の出入りを禁止致します。
*皆様による夜中の浴油はございませんが、ご参拝の方は堂前にてご同行頂けます。その場合は午前零時〜1:00の間にご参拝下さい。

ご理解 ご協力 宜しくお願い申し上げます。

根っこはひとつ -吉野聖天大祭ご案内-

<<吉野聖天大祭ご案内>>

聖天堂 御宝前にお供えする、大根と巾着。
時に、ご信徒様がお供えして下さる、2つがいだき合っているような大根。

でも、実はこれら、1本の大根。
根っこは1つ、でも身体は2つ。

また、よくご質問を受ける、聖天堂の内壁に描かれる、神や仏がいだき合っている絵。
全ては一如。全ては一つ。全ての命の根源は「むすび」であり、陰陽そのもの。

関係のない存在は存在しない。

人は、この世界の光を浴びた瞬間から、祝福の中を生きていく。

命を生み出す源には、無限の愛がひろがり、エメラルド色の海が続いている。
生命は、宇宙そのもの。

「良縁」と聞くと恋愛ばかりに関心が行きがちですが、ご縁は、生きとし生ける命の「むすび」全てをいいます。
人生の伴侶はもちろん、仕事 転職 商売 学業 受験 社会 人間関係 病気との付き合い方…繋がり全てが「縁」。

「縁」を良き方向に導いて下さる究極の神仏と言われる聖天尊と、聖天尊の力を底上げし共に御扉の中でお祀りされる、本地仏 十一面観世音菩薩。

神仏習合、一如。
2体 2柱が共にあるからこそ、祈りは届けられます。

<<10月1日(月) 吉野聖天大祭>>
13:00 聖天尊ご本地仏 祭礼 於 聖天堂
14:00 大護摩供法要 於 境内護摩道場

10月1日 1年に1日(9:00〜16:00) のみ、秘仏 十一面観世音菩薩の御扉をご開帳させて頂きます。

尚、10月1日 午前零時より聖天堂内陣にて、住職により秘宝供を厳修致します。
*秘宝供は非常に荘厳な儀式のため、法要中は聖天堂の一切の出入りを禁止致します。
*皆様による夜中の浴油はございませんが、ご参拝の方は堂前にてご同行頂けます。その場合は午前零時〜1:00の間にご参拝下さい。

たてまつる

「まつり」のホントのこと

銀木犀の華麗で甘美な香りが境内中に漂う今日この頃
人生で1度はぜひ香って頂きたい…!毎年そう心から願って止まない、全てに魔法をかける不思議な魅力を放つ香り

秋に移り、来たる10月1日・11月11日は、吉野聖天大祭・天武天皇祭。
ほとんどの法要神事の名前につく「-祭」。

皆さんは「まつり」と聞くと、何を思い、どんな感情が湧いてきますか?

まつり まつる 祭り 祀る 奉る 間と間をつり合わせる 神様が降りて来られるのを「待つ」…

祭の最も大きな意味目的は、神仏に「たてまつる」こと。

神仏が喜んで下さることを、私たち人間も喜んでご奉仕させて頂く。
真心こもるお供え物を、みんな心を1つにして、神仏へお供えする。

神仏も人間も、ハッピーに「祭」を楽しむ原点には、今年もお米や農作物の実りがあったこと、また日常の「当たり前でない当たり前」の幸せに感謝し、真っ先に神仏へ「お供えをする」尊い喜びがあります。

全てに宿る八百万の神々に、同じく共に、全てに宿る仏たち。
人間は、目に見えているものよりも、目に見えない働きによって「生かされ」「動かされ」ている。

「生きている」ことと「生かされている」ことの言霊の重みの違いを知ると、神仏のためにさせて頂く「まつり」は、私たち人間が示せる大きな敬いと感謝の気持ちの表れであることは明らかです。

着々と進む、当山秋の2大「まつり」への準備

今年も、神仏へお祭りをさせて頂ける喜びと、御扉をご開帳させて頂ける尊さに、既に胸がいっぱいです

Anju