GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

トレーニング開始

季節はまだ1月ですが、既に夏の山のシーズンへ向けて、道の状態確認を含め、トレーニングが始まっています。

今日は、金峰神社 修行門より更に奥へ。

海と浜辺を行ったり来たり

随時受付しております、寺内にてして頂ける写経・写仏。

まずは、墨をすることから始めます。
墨をする、という行為は、ただただ墨液を作るためだけの時間ではなく、現代社会でザワザワしがちな心を、静かに静かに落ち着かせていく、とても大切な時間✨

硯の窪みは海で、平らな部分は浜辺と想像しましょう。
海と浜辺を、行ったり来たりと…月夜に美しく砂を撫でる波の如く、丁寧に墨をする。

ご自身が創りだす波の穏やかさに、日常で忘れそうになる、人への優しさと、何より自分への優しさに気づいて頂けますように…そのようなホッとする時間を提供できるよう、いつも心がけていることです✨

人間の持つ未知なる強さ

”Hey, look at the big picture. Time is running out.“

(真の視点を得るために、もっと人生の全体像を見てみて。時間は待っていてはくれないんだから。)

「自然と一体になる」という言葉をよく使いますが、そもそも自然と一体でありながら、自然から離れる選択をしてきたのは、私たち人間の方だという現実に、はっとさせられます。

人生の指針となり、リマインダーとして、数多くの教えと恵みを提供してくれる自然は、果たして不必要で不便な場所なのでしょうか。

吉野の奥千本で出会った、この白骨化した鹿の姿から、人間の弱さを痛感しました。

そして、必ず全員が「死」に向かう事実を知りながらも、懸命に意味を求め、同じ定めを持つ他者と縁を結び、「幸せ」や「感動(感情)」を積極的に得れるよう、生きる。

幸せという経験や、人とのご縁は、繋がれば繋がるほど、手放す時、離れていく時、別れの時の辛さは深まります。

形として残るものは僅かでも、記憶や感覚、言葉や想いは、必ず何処かで誰かのもとで受け継がれていく。

形なきものを糧に、生きる力を呼び起こせる、人間が持つ未知なる強さの根源にも、少し触れれたような気がしました。

受験生皆さまのご健闘を心よりお祈りしています

中高大学受験・国家資格試験へ向けての、合格祈願のご祈祷・ご参拝も多いシーズン✨

懸命に頑張っていらっしゃる学生さん達同様、ご家族の方々の、体調管理や言葉のかけ方など、気遣いによる緊張感も伝わってきます。

勉強できること、学べること、教育を受けれることは、大変幸せです。
しんどいけれど、今しかないこの時間を、しっかり味わって経験して、未来の糧となりますように。

ご祈祷後、山門を出られる皆さんの背中を見送るとき、自身の身内のことのように感じながら、エールを送り続ける日々です。

受験生皆さまのご健闘を、心よりお祈りしています。
そして、嬉しいご報告を兼ねて、次は吉野山にゆっくり遊びに来てくださいね✨

善行を積み重ねた家は

“積善之家有餘慶”
櫻本坊 第65世住職(先々代) 良海 書

「積善の家に餘慶あり」(『易経』「坤卦」)
善行を積み重ねた家は、その報いとして子孫に必ず幸福がおとずれる。

“The family that accumulates good will be rewarded with abundant happiness.” (Yi jing, or Book of Changes)

Calligraphy by the 65th Abbot of Sakuramotobo, Tatsumi Ryokai.