GAGA | ブログ@櫻本坊

やまと ことのは つづり

「心」から追い出すということ

「心」から追い出すということ

桃の節句である3月3日-
中国の陰陽道から、奇数が重なる日は「強い陰」をなすことから、災いを避けるために、禊をし お供物をし、邪気払いをする日とも言われます。
さて、桃には魔除け 邪気払い力が強く備わっています。

古事記で、日本という国を産んだ国造りの神の夫婦、伊邪那美命と伊邪那岐命の神話内に、その力が書かれています。

…亡き妻の伊邪那美命を連れ戻すために、黄泉の国へ行った伊邪那岐命。
しかし変わり果てた妻の姿に驚き逃げる夫に怒った妻は、黄泉の国の使者(魔物)に夫を追わせます。
伊邪那岐命は、この世と死者の国の境目まで逃げ、その境界線にあった桃の樹になる実を3つ投げ、魔物を黄泉の国へと追い払いました。
その後、伊邪那岐命は、黄泉の国の穢れを祓うために禊をされ…その禊により、最も尊い3柱 天照大御神・月読命・須佐之男命が御生まれになりました…

なぜ、清めることが、これほどまでに重要なのか。
「祓詞: 祓え給え清め給え」「六根清浄」…言葉や唱え方・作法が違うだけで、心身を清めることが全ての基本です。

清ければ清いほど、心に想う願いは全て成就する
身近なところから、まずは六根:
目で見る目の前の風景
鼻で嗅ぐもの
口から発する言葉
耳に聞こえてくる言葉
身に触れるもの
意識の持ち方
…を見つめ直してみる。

それが心地良いものか不愉快なものかは、選択できる時もあれば、選択できない時もありますが、不快でネガティブなものであっても、心には入れないように、心の中で「鬼退治(邪気祓い)」を意識してみる

最も身近な魔物や穢れは、案外…自分自身が心の中で作り出してしまっている…ことが多いのではないでしょうか

Anju

*当山では「魔除けの香り」として「桃の香油」のご用意もございます

いっぽん。

いっぽん。
「道」と名のつく教えの根底にあるもの…それは「清めと祈り」

茶道・香道・華道・書道・剣道・柔道…そこには、決して技術だけでない、「他者を敬い想いやる心」を育てるスピリットが軸にあります。

「礼儀作法」がかならずあります。

それは、神道 仏道 修験道も全く同じ
また、人が生きる道(人生)にも言えること

それぞれの役割を示す、肩書(職業)や服装(装束)がある。
しかし、結局は「人間」という部分で見つめ直した時に、果たしてその人の後ろ姿は、社会で共に生きる人として尊敬できる背中かどうか。

自分の後ろ姿は、はたして人として、恥ずかしくない生き方をしているだろうか。

互いを敬い想いやる言動=礼儀作法

その「当たり前を当たり前にする」心構えに怠慢にならないために、まずは自分自身の心と言霊・行動を清めることが、「修行」の核ではないでしょうか。

Anju
*写真は漢字の「一(いち)」
たった一本、真っ直ぐな一線を引くことが、複雑な模様を描くよりも、難しい。
一切誤魔化せない、その人の人柄 心 生き方が最も表れる、最もシンプルな、いっぽんの線。
櫻本坊は、その一本の道(軸)をブレさせない「心の向かうところ」を明かにし、お伝えする場でもあります。

革命の前夜の静けさ

革命の前夜の静けさ
天武天皇2年 673年 2月27日、大海人皇子は天武天皇としてご即位。
本年は、ご即位されて1347年となります。

NHKで先月1月12日に放映されました「天皇のディナー〜歴史を動かした美食〜」にて、飛鳥時代 天武天皇が食していた夕食が再現。
その夕食の内容は、現代の和食の原点となった「食」として紹介されていました。

「食す国(おすくに)」: 日本を外国と渡り合っていける強国にするため、全国の特産物を献上させることにより、日本を統一する1つの糧として「食」を大切にされました。


私たち人間は、変化を嫌い、前例のない物事を嫌う生き物です。

しかし2020年は、変革・転換の年。
この革命の星のもとで、今まで以上に「原点」「初心」「足元」を見つめ直す機会が増しました。

全く新しいものへと変化させる革命もあれば、大事なものを取り戻すために「原点」へ戻るための革命がある。

周りから見て、止まっている・退いている・静かに見える時ほど、古い武器を手離す断捨離と、水面下で着々と、革命を迎える準備が…整えられている…のかもしれません

Anju

結界のお話

結界のお話

私たち人間が、決して簡単に入ってはいけない、聖域という時空が存在します-

神仏のお像や御神体の御前には、必ず「結界」がはられています。
内陣(ないじん)と呼ばれる、神仏が御坐す(または依代)最も奥まった聖域で、お勤めがあり、護摩がたかれ、御供物や御神饌が奉られます。

神仏と人間(聖と俗)の間で境界線をキチンと定めるため、また人間を魔物から守るためにはられるのが「結界」
同様に、しめ縄や幕、鳥居や仁王門も「結界」

私たち人間も、自分の家や部屋、綺麗に保っている場所に、他人がズカズカと土足で急に入ってきたら、良い気がする人はいません。

それと同じ様に、清く荘厳な無塵の世界に、私たち人間が勝手に入ることは、神仏に対して失礼な行動です。

結界をこえる心構えや事前の清め・祓い…初心と「覚悟」を決して忘れてはいけない、と日々感じることです。
今一度、自分の前にはられる「結界」を見直してみる。
たった一筋の、時に目に見えない「結界」の存在。

人間同士もそう
お互いへのリスペクトや、親しき中にもある礼儀と距離感のバランス

礼儀、はどの「道」を歩む中でも、基本の「き」ではないでしょうか-

Anju

*内陣は、得度を受戒した者で、住職指導のもと特別に許可した者しか入れません

令和2年度: お護摩の日と書禅会 日程のご案内

<令和2年度: お護摩の日と書禅会 日程のご案内>
お護摩の日〜イヒカの火〜
櫻本坊は、万葉時代 大海人皇子を天武天皇即位(壬申の乱の勝利)へと導いた「吉兆の夢」のご縁で、天皇の勅命により建立されました。
以来1300年以上、絶えることなく続くご祈祷護摩を通して、世界の平和 祈願者の「道開き」を祈願しております。
お護摩に馴染みのない方でも、毎月、どなたでも参加して頂ける自己内外を見つめる「お護摩の日」を開放しております。
皆様の想いや願いが成就できるよう、共に心の向け方を学んでいきます。

*個別に祈祷護摩をご希望の方は別途ご予約下さい(要日時相談・志納金額別)
書禅会(しょぜんえ)
写経写仏 禅語や格言 季節の言葉を筆で書き、やまとごころを引き出しましょう。
また心の指針として頂ける徳性の言霊を選び出し、書き楽しみます。

日程: 今月は29日(土) です
3月28日(土) 5月23日(土) 6月27日(土) 7月25日(土) 9月26日(土) 10月24日(土) 11月28日(土) 12月26日(土)
*4月 8月はお休み

場所: 井光山五臺寺 櫻本坊

時間:
10:00〜「お護摩の日」受付
11:00〜 祈祷護摩法要
*引き続き書禅会にご参加の方は、昼食はご自身でご準備下さい
13:00〜16:00 「書禅会」

その他詳細は当山HPをご覧下さい↓
お護摩の日:
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/2020ogomanohi.html

書禅会:
https://sakuramotobou.or.jp/event/2020/2020shozene.html